①では不惑を過ぎたJリーガーが代表歴がなくても、J1のピッチでゴールを決めて、J1最年長ゴールの記録も可能なんだ、という話をしたが、そんなJリーガーの活躍を見て思い出すサッカー漫画があるので、それを紹介したい。

今回の記事の冒頭タイトルにもあるが、本来なら因果関係のないJリーガーのプレーを見て思い出すサッカー漫画。それが①でも説明した「ANGEL VOICE」である。


ぶっちゃけ初期の表紙は「ルー◯ーズ」のパクリと感じさせるチャチな作り。しかしチャンピオン読者が前作の作者・古谷野孝雄の前作に執筆した長編高校野球漫画の成功で、「ANGEL VOICE」も何の心配もないと言っており、この作品に対する予備知識のない筆者はこの言葉に乗った。

しかし、このサッカー漫画と出会ってからの7年半の月日をリアルタイムで楽しめたというのは、自分のサッカーに対する在り方に大きな一石を投じ、サッカーへの価値観の構築を急成長した恩人のような漫画である。

では、筆者はこの名作のどこの部分に土屋征夫のプレーとシンクロしたのか?という話である。

土屋征夫というJリーガーは失礼ながら広く知られている存在ではなかった。しかしそんな選手も20年Jリーグの最前線で闘い続けることが可能で、J1最年長ゴールも並み居るレジェンドの名を抑えて、この記録に自分の名前を刻むことに成功した(カズはJ2)。

ANGEL VOICEも同様である。今の漫画のマーケットだと、有名になってブレイクするか、面白い漫画でも無名だと即打ち切りの極端な二極化が急速に進んでいる。

そんな中でANGEL VOICEは世間では無名の作品にも関わらず、7年半という長期連載を円満な形で成功させたというのは、Jリーガーにおける土屋征夫のように価値のあるレアケースである。


プロスポーツ選手もサブカルチャーも短期間で見切りをつけるのが当たり前になった昨今。しかし、こうした本当に良い存在感を出せるものが無名でもあるというのは今の日本社会も悪いところばかりでもない、と筆者は感じた。

ANGEL VOICEは完結したが、土屋征夫のJリーガーライフというのももっと続いて貰いたいものである。

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