このブログをヘビーに読んでくれている読者なら重々承知だろうが、筆者は昔ボクシングをやっていた。プロを目指すものの箸にも棒にもかからないようなダメな練習生どまりの選手だった。
しかしそんなボクシングも引退し、見る側としてボクシング観戦を楽しむようになって、現役時代には見えなかったボクシング界の闇の部分や低能なボクシング関係者の実態というのも、遅まきながら自分の視界に浮き出てきた。
そうした一方で、Jリーグや大相撲・プロ野球といった他の魅力的なコンテンツが、ボクシングに幻滅しかかっていた筆者の心の隙間をどんどん埋めるようになり、4年前に立ち上げたこのブログの方針である「様々なスポーツの現場を体感して、それをネットにUPしよう」という考えが、筆者をボクシング教原理主義者から離れる傾向に拍車をかけた。
以前このブログに書いたが、今までのボクシングというと学校で言う「クラスメート」のようなものだ、と語った。
これは肯定的な意味ではなく、否定的な意味だ。
高校生がクラスメートに合わそうと努力していたのは、高校生にとってのコミュニティが学校の教室(と部活)しかなかったからだ。
しかし、筆者に教室以外のJリーグ君や大相撲さんみたいな教室以外の別の仲間ができると、クラスメートのボクシングという奴の理不尽な価値観に無理に合わせる必要が全くないことに気づいた。
そうして心が離れていってるボクシング。そんな時に今回有明コロシアムでWBAミドル級王座決定戦の開催が決定した。
前述のことに繋がるが、ボクシングの世界戦というのも20年以上ボクシングと関わって、海外での観戦含めて筆者はこれまで43試合を見た。
こうなるとボクシングというコンテンツそのものが日常に寄り添うルーティンであって、娯楽にとっての最大の敵である「マンネリ化」に繋がった。
しかし、一方で筆者はミドル級の世界戦は未経験だ。そもそも日本でのミドル級世界戦は60年以上経っている日本のボクシング史で今回で4回目である。
筆者は思った。「このタイトルマッチを最後にする気はないが、この試合を『ひとつの区切り』として、この先しばらくボクシングが見られなくても悔いのない観戦にしよう」と普段の倍近くのチケット代を奮発した(もっともまたすぐに観戦に値する試合があれば会場に行くが)。
実際の試合に関しては②以降に続く。

