①ではアメリカ最高峰の人気を誇るNFL・スーパーボウルのハーフタイムショーのパフォーマンスというのが単なるショーという枠組みを超えた社会的・政治的なメッセージすら発信しているという話をした。
この②では日本のプロスポーツがこのハーフタイムショーのビジネス面での成功、いわば「勝利」の要素を1%だけでもいいからどう取り入れるか?という部分にフォーカスしていきたい。
アメフトど素人の筆者が見て、このスーパーボウルのハーフタイムショーの成功というのはやはり「ブランディング」の要素が第一にあると考える。
日本の場合で、このイベントに匹敵するのに近いのは、(100歩遅れを取るが)プロ野球の日本シリーズかJリーグのチャンピオンを決める試合、もしくは日本で開催されるサッカーW杯アジア予選の国歌斉唱くらいか?
しかし、こうして考えるとNFLのスーパーボウルというのは一発勝負だからこそ、そのハーフタイムショーのブランディングが持つ影響力というのも計り知れない。
日本シリーズだと最大7試合あるから国歌斉唱の舞台というのもその分薄まるし、Jリーグのチャンピオンシップというのも2年で無くなった。それに日本シリーズだと第何戦が最後の試合になるかもわからない。
ならばNPBもむしろ日本最強の決戦の火蓋が切られる第1試合の国歌斉唱というのを日本の芸能界にアピールする。そういうブランディングをショービジネスにすることによって、プロ野球を見ない層に注目してもらう。
またJリーグは無理でも日本中のサッカーチームの最強を決める天皇杯決勝の国歌斉唱やハーフタイムショーというのを徹底的に女性誌などのレディース系のマスメディアに売り込んで、芸能人としてここでパフォーマンスすることがアーティストとしての最大の喜びであり成功の証といういわばアーティストの成功手形のようなイベントを打ち出す。
また2016年産声を上げたBリーグの場合、NFLと同じアメリカ系のプロスポーツでファンサービスの土壌があり、まだ市場も未成熟な分、失敗もできるだけ飛躍的なチャレンジも可能でバスケットやプロスポーツに縁のないファン層に強烈なアピールもありうる。
ここで述べたのはただの妄想である。しかし2020年以降日本政府はスポーツを成長産業にしようとする中で、色々アイディアを出して日本のプロスポーツのコンテンツというのはもっとより良くなるはずである。筆者はそう信じたい。