今回、長々と述べているバスケのアリーナ問題。この記事でこうした問題について着地点を見出したい。

今回、サッカーとバスケについてアリーナ(スタジアム)問題について考えている訳だが、バスケのアリーナとサッカーのスタジアムでは、施設の構造や集客の在り方について当然違いはある訳なので、今回は本来のテーマであるバスケアリーナの在り方にフォーカスしたい。

筆者が思うに、Bリーグの基準というモノ自体が、現存のプロバスケ球団の経営から少し浮世離れしている感があるので、まずリーグは基準そのものを緩める必要がある。

第2に、一口にプロバスケ球団と言っても地方都市の球団と首都圏の球団では施設を建設する費用や球団が対象とする顧客エリアの商圏、アリーナへの交通手段なども当然違ってくる。

そのためBリーグは全国一律の基準を球団に課するのではなく、人口密度やエリアを考慮した上での地域別のアリーナ基準というのをロードマップとして構築する費用がある。そうでないと①で述べた東京エクセレンスのような首都圏の球団がアリーナ基準によって潰されてしまう。

以前、アマチュアサッカーリーグの最高峰で全国リーグのJFL(現在は4部リーグ)のクラブGMが「アマチュアリーグまでの基準なら今のスタジアムでもやっていけるが、そこからJ3→J2に上がっていくと、リーグの厳しいスタジアム基準をクリアする必要があって、成績が良くてもそこで昇格できなくなり、結果的にそこで経営体力が疲弊するサッカークラブも見てきた。だから中々受け入れてもらいづらいことだが『勝ち負けだけが全てではない』という要素もサッカークラブ経営には必要になってくる」と言っていた。

バスケでもここの部分は同様で、本来ならクラブを守るためのスタジアム基準というのが、逆にクラブの経営体力を奪うことにも繋がる。

もちろんスタジアム基準が必要ないとは言わない。市街地から車で30分もかかるツギハギだらけの修復で基準をやっとこクリアした某J2クラブの集客がリーグ下位に低迷しているという事実もある。そのためBリーグにも、ある一定の厳しさを持ったアリーナ基準も必要だ。

しかし、Bリーグの関係者に言いたいのは、Jリーグの基準を無理やり当てはめたアリーナ基準を地方のプロバスケ球団に押し付けるのではなく、カテゴリー別だけでなく、地方や大都市圏と言った自治体の人口規模に見合ったアリーナ基準の構築というのが、Bリーグの繁栄には必要になってくる。

言うは易し行うは難し、というのは重々承知の上だが、Bリーグ関係者の方々には是非ご一考してもらいたい。