今回、メジャー紙のスポーツ欄から端を発したアリーナ(サッカーで言うスタジアム)問題。ここからもこの問題について考えていこう。
①②ではプロバスケにおける本来なら球団を守るためのBリーグのアリーナ基準というモノが、むしろその基準の厳しさ故に球団を苦しめている、という話をした。それではこれから日本のプロスポーツチームというのはどうあるべきかを探っていきたい。
ここまでプロバスケのアリーナ基準について述べてきた訳だが、他のスポーツの問題も見ていきたい。
現在プロサッカーリーグであるJリーグ2部のJ2の町田ゼルビアが東京都町田市に本拠地を置く町田市立公園陸上競技場(通称・野津田)も、今まで述べたリーグによるスタジアム(アリーナ)基準の壁にぶつかってきたクラブである。
町田ゼルビアというクラブも過酷なプロサッカーの世界で都リーグや関東リーグから這い上がってきたクラブだが、その町田ゼルビアもJFL(日本最高峰のアマチュアサッカーリーグ・当時3部)で成績は良かったもののスタジアム基準やJリーグの集客の基準を満たしておらず、2010・11年とクラブのハード面の問題がネックとなってJ2昇格が見送られ、晴れてJリーグ入りを果たしたのは2012年だった。
現在、町田ゼルビアは2016年はJ2で7位と好調だが、集客では苦しんでいるという(まだ町田ゼルビアにJ1のスタジアム基準をクリアした施設はない)。
しかし昔、日本のサッカークラブで指揮を執りに来たブラジルはセレソンの監督候補だった指導者は「プロという仕組みは単に制度だけを整えればいいという問題ではない。この国のサラリーマンサッカーを変えるには表(選手や指導者)も裏(フロント)も真のプロにならねばならないのだ」という言葉を残したが、翻って新たに産声を上げた日本のプロバスケ界というのも、基準だけを過去の成功例であるJリーグの基準に無理やり当てはめて、結果的にプロバスケ球団の首を締めているようにしか過ぎない。
そして最後の④でこのアリーナ問題について結論を出したい。