①②では三ツ沢競技場についての感想から、現状のスポーツビジネスについての問題点や改善点について、勝手に洗い出していたが、③以降では実際に具体的な試合内容について触れていきたい。
横浜FCとしては4勝2分2敗で上位だったのに対して、ジェフは3勝3分2敗と上位との差を詰めるための試合ではアウエーで引き分けでの勝ち点1より勝利での勝ち点3が求められるところだ。
ホームの横浜FCは4-5-1でDFラインに肉体派ストッパーのオランダ出身の黒人カルフィン・ヨン・ア・ピンを配置し、中盤を厚くして、負担が掛かるであろう1トップに昨年のJ2得点ランキングで上位につけたノルウェー人FWイバを置いて試合に臨んだ。
一方のジェフは4-3-3という攻撃的で現代サッカーな布陣。こちらの1トップにはリーガ・エスパニョーラも経験しているアルゼンチン人ラリベイをセンターフォワードに置いて、右SHに船山、左SHに清武功暉、トップ下に10番の町田也真人を配置して超オフェンシブなフォーメーションで臨んだ。
そして、小雨の中でのキックオフ。予想通り先手を打ってきたのはアウエーのジェフであった。
J2ファンには知られている2017年のジェフのクレイジーなまでのハイプレス&ハイライン。前半にハイリスクを背負って攻撃重視に攻めたてて、序盤のうちに勝利を決めようとの腹づもりだ。
とにかくジェフは相手にプレッシャーをかけて攻めまくる。前半のポゼッションでもジェフが圧倒し、攻撃陣が横浜FCのゴールマウスに牙を剥く。
しかし、横浜FCのDFラインはヨン・ア・ピンがラリベイをマンツーマンでマークして、このFWを船山・清武・町田の3人から孤立させることに成功する。
よくボクシングで空振りが1番体力を消耗するというが、この日のジェフのサッカーでは中盤でのポゼッションで圧倒しても、肝心の1トップにボールが全く収まらず、本来ならラリベイの衛星になるべき3人の連携も全く機能せず、選手の体力も浪費するばかりであった。
そうした中でのスコアレスの前半。後半戦の④からはハイリスクを背負ったジェフの戦術のツケが出た。

