①では三ツ沢初見参の筆者が、横浜FCというクラブのスタジアムと地域住民との繋がりが希薄なことについて述べた訳だが、試合内容を振り返る前に、もう少し補足説明したい。
①で三ツ沢にいく前の筆者がハマスタでファンサービスのイベントがやっていたという話をしたが、スポーツビジネスに限らず、一般の企業はビジネスとして顧客からモノ(orサービス)でお金を受け取る時によく聞く「マーケティング」という手法を用いる。
マーケティングのプロセスには①セグメント(顧客層を世代別や性別などで区分けすること)→②ターゲティング(どの層の顧客をターゲットにしてモノやサービスを提供するのかを決めること)→③マーケティング(その層がお金を出してでも欲しがるモノやサービスについて、具体的な市場調査をして、そうした商品やサービスを生み出すこと)という段階を踏む。
ハマスタのベイスターズの場合、まず①でこの週末に球場に呼び込む顧客の年齢層や性別を区分けして、②で20〜30歳台の女性層に顧客を具体的なターゲットにして、顧客を呼び込むことを決める→③でこうした年齢層が喜ぶ可愛い女性用のユニや化粧品の試供品・お菓子・ぬいぐるみ・女性用の日常品(パンストなど)を無料や安価で提供し、この日に一見さんになった女性客をリピーターにさせようと、球団としての方向性を定めた経営努力をしていた。
翻って横浜FCのファンサービスである。当日の午前中までハマスタの女性客の賑わいを肌で感じていたから尚更であったが、クラブの顧客(ファン)獲得の方向性に対して、一体どういった客層に向けてのファンサービスなのかベクトルの向きが漠然とし過ぎていた感じがした。
「野球とサッカーでは人気や定着度の度合いが違う」という言葉も聞こえてきそうだが、ベイスターズだってDeNAが球団を買い取って本格的なボールパーク計画を打ち出してからまだ2〜3年で、その前のハマスタなんて特定の男性野球ファンしかいなかった閑古鳥の鳴くマニアックで不人気な休日スポットだった。
要はベイスターズに出来て横浜FCに出来ないということを筆者は言いたい。
のっけからスポーツビジネス論を口角泡を飛ばして熱弁しているが、③以降に試合内容についても言及していきたい。


