今回のテーマで①では本来ならスポーツのブログであるこのサイトが、労働問題である「お客様は神様です」という言葉の一人歩きから、始末に負えないクレーマーの問題へと発展したという指摘をした。そしてそうした行き過ぎた顧客第一主義が、日本の労働者のメンタルを蝕み、精神医学などへの社会保障費などへの圧迫に繋がるという指摘もした。
そんな中で、このブログはスポーツのブログである。スポーツの世界も間違ったお客様第一主義から勝てなくて駄々をこねるコアサポの幼稚な精神から来る暴動が結果的にサッカーファンの減少に繋がるという意味では同じだ。
今の時代、スポーツで勝ち続けるのは情報が拡散しきっているので、優勝はできても連覇など、勝ち続けること自体が困難な時代にシフトしつつある。
しかし昔、日本ハムファイターズのオーナーだった大社啓二(おおこそ・けいじ)氏が、「球団経営で大事なのは負け試合。勝ってファンがリピーターになるのは当たり前。負けた試合でもお客様に試合内容に納得してもらう努力をしないと、球団経営は行き詰まる」と仰っていた。全く同じことをJ3・長野パルセイロのフロントも言っていた。
そのためには野球でもサッカーでも同じことだが、ファンは負け試合を目の当たりにしてでもある程度納得して家路に着くことを受け入れないといけない。もしそれができないとそのファンはファン活動を続けられないだろう。スタジアムに来るファンはお客様であるが、無法者のような振る舞いは、例え客でも決して許されない。
しかしその一方で、ファン(サポ)というのは、決してチームにとって選手や指導者・フロントよりも地位が低い存在でもない。
ファンという存在は、チームの方針に対して基本的に無力であるから、自らの存在をチームというピラミッド型のヒエラルキーの最底辺だと思ってしまう人間もいるが、この解釈も正しくない。
スポーツチームにおけるステークスホルダー(利害関係者)の関係性というのはピラミッド型のような単純な図式などではなく、複雑に絡み合って繋がっているモノであり、ファン(サポ)だからって最底辺と卑下する必要もない。
ファンは客だから神様だというのは完全な勘違い野郎な考えだが、一方でスポーツチームにおける構成員の下っ端という訳でもなく、野球であれサッカーであれ、選手や指導者・フロントと同じくらい大切な存在として尊重されるべきモノでもある。
今回はスポーツチームにとってのファンの在り方について考えてみたが、このブログを読んでくれているファンやサポの人たちも自分の立場について、一回じっくり考えてみると自分のあるべき姿も見えてくるだろう。想像してみよう、チームにおける自分の立場を。