Bリーグ・プレーオフでの順位争いのみならず、日本最強のポイントガードは誰か?という部分にも焦点が集まっていた2017年4月8日の船橋アリーナ。千葉ジェッツvs栃木ブレックスの試合。試合は前半終了時点で52-34とホームの千葉が栃木を圧倒し、後半に入った。
ここで追撃の手を緩めなかった千葉。その原動力だったのは再三名前が出てくる2番のポイントガード・富樫勇樹だった。
富樫の長所というのはその超絶的な身体能力の高さにある。とにかくクイックネスと短距離スプリンターのような加速力、そして視野の広さと、乗っている時の富樫のプレーはまさに手がつけられない。
ドリブルでのキープ力もさることながら、そのドリブルからゴール下への(サッカーで言う)カットインの様なゴールに接近していく加速力も弾丸のようなペネトレイトで抜き去り、相手のDFが2人がかりで止めに入ると大外にあっさりパスを出し、味方が3Pシュートを量産する。
独力でもゴール下の密集地帯をこじ開けるシュートセンスがありながら、それに頼らず味方の選手を活かす術を知っている視野の広さ。瞬間的に相手を置き去りにするダッシュ力。筆者は富樫のことをコート上でのプレーに対し「コート上のトイボックス(おもちゃ箱・楽しいことばかりしかしないから)」と勝手に名付けた。
他にも33番のPFタイラー・ストーンもゴール下の密集地帯でのリバウンド奪取能力や接近戦でのシュートセンスの高さに舌を巻いた。
ストーンや16番の元NBAのアメリカ人ヒルトン・アームストロングの空中戦での強さは、サッカーのルールを叩き込んで、J2ジェフ千葉のユニフォームを着せて、ゴール前のCKでのヘディングでも十分通用するのでは?と思うくらい空中戦の強さを感じた。
結局、試合は92-80でホームの千葉が圧倒した。今回は富樫のことばかりを書いたが、他の日本人プレーヤーも凄かった。この日の船橋アリーナに集結した5129人という超満員のブースターも、この日の試合には満足したはずだ。
プレーオフでの千葉ジェッツの闘いも楽しみである。


