こうした中で、2017年4月8日の小雨の降る中での船橋アリーナ。千葉ジェッツvs栃木ブレックスの試合というのは、単にB1リーグ・初代王者を決めるプレーオフでの順位争いのみならず、田臥勇太vs富樫勇樹というNBAのコートに立てるかもしれないポイントガードの試金石となる大きな試合でもあった。
試合は第2Qに入り、千葉のラン&ガンのような超攻撃的バスケが栃木ブレックスに容赦なく襲いかかった。
よく筆者が「サッカーやバスケにおいて強いチームと弱いチームの差は何だ?」という問いに対して、筆者は「弱いチームというのは選手の力が外国人傭兵頼みになって、日本人選手が戦力として機能していない」
「一方で、強いチームというのは外国人選手と日本人選手の実力差が拮抗していて、日本人選手がプレーヤーの戦力として自立できている存在だ。サッカーもバスケも強い弱いの差という意味で、こうしたことは共通している」
そうした中で、日本人選手と外国出身選手(千葉のPFで3番マイケル・パーカーは帰化選手)の実力差が小さかったのはホームの千葉ジェッツだった。
千葉の選手はとにかくよく動く。サッカーでもよく運動量の多いプレーヤーというのは重宝されるが、日本のプロバスケでも同様だった。
熱狂的なブースター(ファン)の応援に支えながら、とにかく千葉の選手はハードワークを惜しまず、ルーズボールにも身体を張って奪いに行って、ボールやゴールに対する執着心をむき出しにして闘った。
そんな中で前半終了時点で52-34とスコアに大差がついた中で、ここからまた存在感を見せつけたプレーヤーがいた。千葉の2番・富樫勇樹である。〈④に続く〉

