以前、このブログでスポーツにおいて効率を優先するか、無駄なモノを許容するかについて、持論を述べたことがあったがそれから3年経って、今回このことについてもう一度考えてみたい。
もともと効率と無駄のどちらが重要なのかを考え始めたのは、2015年のJ2・ジェフ千葉vsFC岐阜戦で1点ビハインドのジェフが、前半終了間際にルーズボールを必死に追いかけた町田也真人。
そのボールをCKに変えて、そのプレースキックから同点弾を生み出した、というシーンが執筆のきっかけだった。
その時はルーズボールを追いかけるという一見すると無駄な動作に世の中の重要な部分が含まれている、ということを述べてきた訳である。
あれから3年。正直、その時の意見が間違っていたとは思わないが、無駄なモノvs効率重視という対立に関して、少し考えさせられる部分もあったので、今回のテーマになった。
そもそもサッカーに限らず、スポーツにおける無駄なモノを何をもって無駄と判断するか?という基準の線引きも肝になっていく部分もある。
以前、元・名古屋グランパスの平野孝が名古屋退団後に米国の独立リーグでプレーしていた時にこんなことを述べていた。
「Jリーグだと取れる確率のルーズボールや競り合いのシーンが50%未満だと、体力キープの為に敢えてボールを追わない選手もいる。しかし、こっち(米国)の選手は取れる確率が40%や30%でも取りに行って、実際取ってしまう」
実際にこの話を聞いて、この頃の筆者は効率至上主義に対してアンチテーゼを持っていた時期もあった。
しかし、サッカーに限らず何のスポーツでも試合の時には、そうした無駄なモノに対する許容は必要でもあるが、今の日本社会において、あまりにスポーツの練習でも仕事でも効率化や生産性を無視した現場が多過ぎるのを実感している。〈②に続く〉