今回は時事ネタに触れておきたいが、今年(2017年)3月でサッカー日本代表はロシアW杯アジア最終予選でアウエーのUAE戦とホームのタイ戦に臨んだ。

このブログの読者なら分かるだろうが、前者は2-0で、後者は4-0で共に日本代表が勝利した。

この2つの試合。アウエーのUAE戦は録画観戦であったが、タイ戦は生観戦をした。この2つの試合について雑感を書き連ねる。

まず最初にイメージしたのは14番久保裕也の覚醒であった。

「シュート」の久保嘉晴といい「ドラゴン」久保竜彦といい、久保と名乗るサッカーのFWはみな伝説を作る宿命なのか?と考えてしまうが、現代サッカーの頂点に君臨するFCバルセロナの礎を築いたオランダの伝説ことヨハン・クライフと同じ14番を背中に付けた、この久保と言う23歳のFWは些細なミスも許されない過酷な環境の中で、浮き足立ったチームメイトよりも1人冷静に闘っていた。

この久保は前年のリオ五輪で年齢では出場可能なはずだったのにも関わらず、所属クラブの意向でメダルへのチャレンジの道を閉ざされた。

しかしそんな中で、久保は五輪代表よりも更にグレードアップしたA代表で、己の存在感を際立たせた。

このUAE戦テレビ観戦していた限り日本代表で目立っていたのは右サイドでの攻防で、ことごとく日本の方が相手のサイドを切り裂くシーンが多かったことだ。その右のウイングだったのが久保裕也だ。

現代サッカーの場合、センターフォワードは独力で決められるシュート力の他に、身体を張って肉弾戦に競り勝ちサイドの選手にシュートのお膳立て出来るポストプレーヤーとしての能力も必須だが、ウイングの選手にはシュート力にプラス、1対1でのサイドの攻防戦で相手のSBの動きを封じる突破力も兼ね揃えることも必要だ。

ある野球ライターはプロのマウンドで投げる投手について「経験という名の修羅場」が投手に筋金を付かせると語っていたが、この日の久保裕也はW杯アジア最終予選という日本中が注目するような喉元にナイフを突きつけられるような緊張感のある修羅場の中で、値千金の活躍を日本のサッカーファンやメディアに見せつけた。

②ではホームのタイ戦について述べたい。