先日、自分の過去のボクシング観戦歴をネタ帳にまとめていたら気がついた。OPBF(東洋太平洋)のタイトルマッチで全17階級中、唯一スーパーバンタム級(55.34kg以下)だけ観戦経験がなかったことに。

今、ボクシングの全17階級という話をしたが(階級が多過ぎだが)、ボクシングという競技は下は女の子よりも体重の軽いミニマム級から上は相撲取りクラスのヘビー級まであって、それが細分化されている構図である。

そんなボクシングでもほとんど日本人ボクサーがいないヘビー級やその下のクルーザー級・ライトヘビー級といった長い日本のプロボクシング史の中でも、ほとんど試合開催しないような階級でも筆者はたまたま観戦できたことがあった。

しかし、一方で高校生時代から20年以上通っている後楽園ホールのボクシング興行でも、最も開催回数の多い階級の1つである東洋でも選手層の厚いスーパーバンタム級タイトルマッチは観戦未経験だったのには自分が1番びっくりした。

帝拳拳士である同階級の下田昭文や西岡利晃の試合などで、このタイトルはとっくに観戦したとばかり思っていたが、実はお互いの存在が仕事が忙しいすれ違いカップルのように20年間タイミングが合わず、接点がなかった。

そんな中、3月の連休前の金曜日にこの試合の開催が正式決定された。正直ボクシングも長いこと見てきて倦怠期な部分もあり、対戦カードそのものには執着はなかった。

しかし、今回このチャンスを逃すとずっと東洋太平洋タイトル観戦歴が中途半端になると思い、全階級コンプリートを目論むために仕事終わりの後楽園ホールへ足を運んだ。

もちろん読者にとってこの価値観自体、この事実がアラフォーのおっさんボクシングファンのどーでもいい自己満足に過ぎないのは重々承知の上だ。

しかし、自分の青春のエネルギーの全てを費やして取り組んだボクシングがこれ以上半端になるのも嫌だったので、花金の夜に帰巣本能を振り切って後楽園ホールへの出陣を決断した。

対戦カードは下北沢は金子ジムの35歳、「リングの仕事人」大竹秀典vsフィリピンからの刺客で12勝6KO1敗という好成績のジェルベルト・ゴメラだった。〈②に続く〉

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