こうしてブリオベッカ浦安が所属するJFL(Jで例えるとJ4)のシーズン前の調整試合に臨む訳だが、メインスタンドだけ解放された浦安市運動公園陸上競技場(ざっくりと200人くらい)の観客席には、JFLや関東1部(例えるとJ5)みたいな小さな街クラブにも、両方ささやかながらもサポーター集団がいて、コルリ(コールリーダー)がチームの勝利のためにバモっている姿は、当たり前の姿なはずなのに軽く感動した。
それはそうと、うららかな暖かい陽気の中で主審がキックオフの笛を吹く。
まず仕掛けていったのは地元の浦安の方だ。①でも述べたがブリオベッカ浦安というクラブは浦安市をホームとしながら、東日本大震災での市内のインフラ整備の影響で、このスタジアムをJFL公式戦では使用出来ない。そのためこの日が浦安市民に自分たちのプレーを見せる数少ないチャンスなのだ。
相手のつくばといえばトルシエのフラット3ではないが、守備を基調とした5バックに近いサッカーで迎え撃った。
そうしたフラットなDFラインに対して、カテゴリーからすれば格上の浦安は個の能力で打開しようと試みた。
この日の浦安のサッカーは筆者が普段見るジェフ千葉を中心としたJ2で言う「(ディ◯ニーの地元だからではないが)王様FWと10人の小人たち」のようなプレーでトップ下の7番にゲームメイクを任せ、9番田中俊哉のフラットなラインに対する裏取りのテクニックと24番南部の鬼キープとダブルでの個人技で局面を打開しようとした。
そして先制は浦安。トップ下から縦パスに対して9番田中が裏に抜けてGKと1対1。
これを田中が冷静に決めて先制ゴールとなった。
対するつくばは選手個人の個々の能力としては浦安より下だった。4部の浦安に対して、5部のつくば。ある意味それは当然だ。
しかし、個の能力で劣るチームが勝つためにするサッカー。それは「疲れるサッカー」である。このブログはブリオベッカ浦安の試合観戦記であるが、この後つくばの疲れるサッカーでの猛反撃を目の当たりにすることになる。〈④に続く〉

