このブログがUPされる頃には、日本のサッカー界もそれぞれのカテゴリーで正念場の夏を迎えているだろうが、今回紹介するのは2017年シーズンでは日本サッカーの4部リーグに当たるJFL・ブリオベッカ浦安というチームである。

浦安といえば、言わずと知れた世界中の女の子を魅了する鼠の国こと東京ディ◯ニーランドの総本山。実のところ、筆者はこの鼠の国に行ったことが一度もない。

誤解のないように言えば、この鼠の国を悪く言ったこともない。ただそこに行く用事もチャンスも逸し続けただけである。

話をサッカーに戻そう。昨年5部リーグに当たるいわゆる地域リーグと呼ばれる関東1部リーグの東京23FCを見てから、筆者は下のカテゴリーにも興味を持つようになった。ブリオベッカ浦安というクラブについては「サッカー おくのほそ道 Jリーグを目指すクラブ 目指さないクラブ」(宇都宮徹壱著・2016年・KANZEN)に詳しく載っているが、ここでも補足説明したい。

読売クラブ(現・東京ヴェルディ)の元選手で育成の少年サッカーチームを浦安JSC(浦安ジュニアサッカークラブ)として、齋藤芳行らが1989年に設立したのがスタートだ。そしてその中に設立当初からこのクラブに関わっていたのが「狂気のサイドバック」こと同じ読売クラブの元日本代表・都並敏史だった。

本来なら少年サッカーの育成のためのチームだったが、生徒の将来的な選手としてのモチヴェーションの受け皿として、2000年にトップチームも設立。2014年に現クラブ代表の谷口和司が就任後、2015年に地域リーグからJFLへの昇格を賭けた大会である地域決勝大会で優勝し、ブリオベッカはJFL昇格を果たした。

しかし、ブリオベッカは今すぐ「Jリーグ昇格」とも言えない事情もある。

ブリオベッカの本来ならホームスタジアムになる浦安市陸上競技場は人工芝でJリーグのスタジアム基準を満たしていない。

そして2011年の東日本大震災では浦安市は地盤の液状化現象も起こり、市内のインフラ整備は未だ完全に復活したとは言えず、市の行政としてもライフラインの復興を後回しにしてまで、陸上競技場の芝を天然芝に変えたり、観客席の数をJリーグ基準に満たすと言った作業に着手する訳にはいかない事情もあった。

そのため、ブリオベッカのJFL公式戦は浦安市のサッカークラブでありながら、千葉県柏市の柏の葉陸上競技場を借りて行うのが現状である。

しかし、長く濃密な時間をかけて首都圏の衛星都市にサッカー育成文化を育ててきたブリオベッカ。そのブリオベッカのJFL公式戦の前のプレシーズンマッチ(野球で言うオープン戦)が、地元浦安市で開催されるので、筆者は人生初の浦安訪問に向かうのであった。〈②に続く〉

{DF67E6AC-DAA9-40DC-AD92-5FE4C141C1C7}