冒頭のタイトルは何ぞや?と思う人も多いかもしれないが、これはJリーグひおける移籍金協定の一種である。それを今から説明したい。

「トレーニングコンペンセーション」通称TCとも呼ばれているが、これはJクラブのユースから育ったクラブ生え抜きの選手が引き抜かれて移籍する時に発生する移籍金のシステムのことだ。

クラブ・サポにとってユースからの生え抜き選手というのは手塩をかけて育てた自分の息子のような存在だ。

しかし一方でサッカーは特にそうだが、スポーツビジネスというのは平たく言えば「人身売買」の要素が強い。

しかし、そんな選手の売り買いの現場でも、育てた側のクラブにとって、契約期間満了だから移籍金0円でユース上がりの選手が持っていかれたらたまったモノではない。

クラブが辛抱強く手間暇かけて育てたユース上がりの選手に対して、送り出す側のクラブに金銭的な見返りを用意して、クラブを保護する目的で設立されたのがTCという制度だ。

TCの場合は中学生時代のジュニアユースから上がってきた選手には中学生時代1年あたり100万円の支払いが発生する。そして、ユース(高校生)の時にJのトップチームに出場できる2種登録で試合に出ていたら、そこから先は移籍金の金額も選手を引き取る側のクラブのカテゴリーによって変動する。

この時支払う側は獲得する選手のジュニアユース時代(早い選手だと12歳から)から21歳までの育成期間に対する金銭的な見返りを準備する必要がある。

そもそもTCという制度の有効期間はその選手が、満23歳になる年の1月31日(この日はサッカー選手の契約期間の最終日になるのが多い)までをTCを受け取る資格の有効期限として、なおかつその直前の同年1月1日までに移籍交渉がまとまれば、TCによる移籍金獲得の資格が選手を送り出す側のクラブに発生し、この時にサッカー選手を獲得したいクラブは、選手を育てたクラブに一定の金額を支払わないといけない。TCとはそういう仕組みだ。

②では具体例も挙げて説明したい。