そんな筆者の個人的なドタバタ珍道中を尻目に浦和レッズvsFCソウルのキックオフの笛が鳴った。

前半はGKが榎本で、3バックの守備陣に森脇に宇賀神、そして五輪代表で湘南から移籍した遠藤航。ドイスボランチに「走れるファンタジスタ」こと柏木陽介とベテランの阿部勇樹。右SHに関根で左SHはこちらも湘南から来た菊池大介。シャドーストライカーの位置に李忠成と武藤雄樹。1トップに興梠を置いた3-5-2。

昔見たミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ)のサッカーは、広島時代には3バックの中央にストヤノフがいて長短のフィードを供給し、中盤を厚くして、佐藤寿人(現・名古屋)のアイデアのあるプレーに重きを置いた負担と責任の大きなワントップの3-6-1というフォーメーションだったが、ミシャが今日出したスタメンだと、独創的な攻撃サッカーというより、守備にも意識を置いた布陣だった。

対するFCソウルは情報が少ないのでなんとも言えないが前半は11番の南米人マウロと10番の韓国代表パク・チュヨン、25番イ・ソギョンの左サイドの崩しが強烈であった。この3人が攻撃面のゲームメイクを一任していた。

キックオフの笛が鳴ると浦和はパスを回して流動的にボールを動かしたいが、FCソウルは柏木や興梠に対して、88番イ・ギュロや22番キム・クンファンが徹底マークでくっついていた。

そんな中で時間が進むが、前半37分に武藤→菊池と繋いで李忠成がスルーして、最後は武藤がシュート。これが浦和の初めてのシュートだった。

この柏木を徹底マークしていたイ・ギュロはW杯フランス大会アジア予選で当時の日本代表のエースだった三浦知良(現・横浜FC)に密着マンツーマンでくっついていた「カズ殺し」こと、チェ・ヨンイルを彷彿とさせるような柏木の身体に接着剤で自分をくっつけたようなマンマークだった。

こうしたスタートの試合の入り際の時に浦和もFCソウルも中盤での潰し合いでなかなかシュートシーンまで、両チーム共に持っていけなかった。

そうした刹那、FCソウルの攻撃陣が浦和ゴールに牙を剥いた。〈③に続く〉

{7EEB18AB-AEA2-4970-8FCF-20D31978201B}