①では自分の卑近な失敗例から、視野の狭さに繋がる近視眼という見方の危険性について説明してきたが、②ではその危険から脱却するための方策について述べたい。
その近視眼という危険を避けるために「複眼」という見方が重要だと説明したが、具体的に複眼とは何だ?という話である。
複眼とは「(スポーツの場合)1つの競技(視点)だけに頼るのではなく、2つ以上の様々な観点から物事の仕組みを俯瞰(ふかん)する」ということだ。
「独眼」鉄と名乗る身で言うのも何だが筆者の場合、高校野球→ボクシングと立て続けに2つの競技で失敗をした訳だが、その後サッカーを見るようになって、1つ決めたことがあった。
それが前述の「複眼」思考による俯瞰である。
ここ数年、このブログのためにもサッカー以外の競技の必要性を複眼という観点からも考えていて、そこから白羽の矢が立ったのがバスケットだった。
この両者は競技の特性や攻守の切り替えの速さなど共通点も多く、複眼力を高めるのに(バスケットという競技は)うってつけであった。
バスケット観戦を始めて2年半くらいなのだが、この2つの競技に優劣の差はなく、単なる個性の違いに過ぎないことも分かった。
バスケのゴール下のリバウンド争いとサッカーのヘディングでの空中戦にも互いに参考になる部分も多く、サッカーとバスケットが互いに刺激し合いながら、自分の頭の中にそれぞれの競技の魅力を深まっていってくれるのが、たまらなく楽しかった。
この時筆者自身が「サッカー教原理主義者」になっていたら、サッカーの競技の本質も、バスケットの競技の魅力も双方で分からなかったであろう。
しかし、筆者は同じ失敗を何度も繰り返さない。
このブログの読者でサッカーが大好きな人も多かろうが、サッカーという競技の本質を理解したいなら、(無理にバスケットを選ばなくていいから)何か他のスポーツも同時並行しながら観戦するのをお勧めする。
スポーツ観戦も人生も最短距離を突っ走るより、一見すると遠回りのコースの方が、実は近道だったりするモノなのだ。