今回のブログのテーマは少し重たいタイトルでもあるが、野球やサッカーというメジャーな競技に限った話ではないが、プロスポーツチームとスタジアムのある自治体との関係性というのは、色々あるモノの長い時間をかけて「良い」関係というモノを築いていかないといけない、という話である。

先日、Jリーグのサポの飲み会でサンフレッチェ広島のサポと話をする機会があった。

周知の通り、サンフレッチェのホームスタジアムであるエディオンスタジアムというのは、中心街から離れている上に、試合後は渋滞も酷い。そして公共交通機関のアクセスも悪いし、会場内も陸上競技場で見づらいし、トイレも少ない。サンフレには悪いが、サッカー観戦には劣悪な環境だ、と話していた。

そのためクラブ側はクラブワールドカップ2015・3位の時の賞金を遣(つか)うなどして、費用を全額クラブが負担して中心街にサッカー専用スタジアムを造りたいと行政と交渉するも、広島市や広島県などはサンフレの何が嫌なのかを明確にしないまま、中心街から離れた予定地などを提示して、実質的にサッカー専用スタジアム建築に反対の意思を示している。

そのサンフレサポは「市長や県知事が変わらない限り新スタジアムは夢のまた夢だ」と吐き捨てていたが、実際にサッカークラブなどのスポーツチームとスタジアムのある地域の自治体との相手で良好な関係を築くには、長い時間の対話と妥協点の探りあいが必要になってくる。

J3では異例のサッカー専用スタジアムを建設した長野パルセイロの長野Uスタジアムも、クラブの代表者と長野市という行政のトップや一般の長野市民との間で何度も交渉が難航した上で、スタジアム建設の話し合いの失敗を乗り越えての、なでしこの試合も可能なサッカー専用スタジアム完成であって、最初から自治体トップや地域住民が両手を上げて賛成していた訳ではなかった。

こうした行政とクラブとの関係は最初は「依存・対立」が多かったが、それが「共存・信頼」関係で結ばれるようになっていったのだ。

②では筆者の故郷である千葉県を例に挙げて説明していきたい。