私事で恐縮であるが、先日Jリーグのサポの飲み会に参加した。自分の普段の仕事場は野球ファンばかりなので、Jのサポの話が出来たのは非常に有意義であった。
そうした中でサポーターのフロント論という話に話題は言及されていった。
その時トイメンにいたのが、2017年にJ2に降格してきた湘南ベルマーレサポの人であったが、彼はこう言った。
「湘南はレギュラークラスと試合に出られない控え選手との実力差が激しい。いわゆる『選手層が(極端に)薄い』という弱点をJ1にいた時は最後まで克服出来なかった。だからJ2まで落ちてしまった」
しかし、筆者のような他の(ジェフ千葉)サポからすれば、外野から湘南を見ているとまたイメージが違って見えた。
筆者は、「確かに湘南の場合はクラブの営業収益も12〜13億くらいだし(ジェフは25億前後)、商圏も狭いし地元に大口スポンサーになれる企業も少ないから、高い値段の選手呼べる人数も限られている」と答えた上で、
「しかし外野から湘南を見ていると、湘南のピッチ上の11人というのは自分のチームが掲げる戦術の理解度が高いというか、プレーの意識が選手間で互いに共有されていて、個々の能力で劣っていても選手全員が同じ方向を向いている。フロントも指導者も選手やサポも一致団結して同じベクトルを見ている」
「ジェフにいた(イビチャ・)オシム監督も『結束さえしていれば、それだけで危険なチームになれる』とあったが、湘南というクラブはチームにそうした結束力があるので、J2クラスなら資金面で劣っていても、その団結力だけで他のクラブからは恐怖だ(事実、ジェフは湘南に0-6で負けたことがある。そんなことは結束したチームでないと到底成し得ることはできない)。
こうしたJ2に降格したものの湘南の持つ結束力。それは侮れない。そのクラブの持つエネルギーの源とは何なのか?それが今回のタイトルにある「フロントに求められる『軸』」である。〈②に続く〉