①では現在のボクシング界で軽量級の絶対的な怪物であるローマン・ゴンサレス(ロマゴン)について述べて来た訳であるが、②ではこのロマゴンの今後について見ていきたい。

ロマゴンの今後について気になるところと言えば2つ。井上尚弥との対戦と、バンタム級転向である。

まず、井上尚弥戦についてのボクシングファンによる妄想をツラツラと書き連ねたいが、個人的にはロマゴンのKO勝利を予想したい。

とは言っても、井上にしても勝機がないとも思わない。井上が勝つにはオマール・ナルバエス戦の時のような(この時は井上が脚を怪我していて短期決戦に賭けるしかなく、その賭けが表に出たという部分もあった)、電光石火の早業ではないが、最初の3Rでスタミナの8割を使い切るようなプレッシャーをかけるしかない。そうしないとロマゴンの圧に屈してしまう。

ロマゴンのプレッシャーというのはミドル級の選手のパンチ力と中量級レベルのプレッシャー&フィジカルがあり、その上で軽量級のスピードも兼ね揃えている。そこから先に高度なコンビネーションブローが雨あられと打ち込まれる。

だからこそ、井上側として序盤の出来が試合の8〜9割の流れを左右してしまう。

それと、もう1つはバンタム級転向にある。個人的にはロマゴンは井上戦をクリアできたら、バンタム級転向も十分成功すると予想する。

しかし、バンタム級まで行くと世界タイトルは取れても苦戦も増えるとも考えられる。

さっきロマゴンは中量級のフィジカルもあると言ったが、これまで闘ってきた相手は皆出だしのフィジカルの圧で最初から有利だった。

しかし、バンタム級クラスになるとロマゴンのフィジカルの圧があっても、相手にフレーム(骨格)のアドバンテージで分があり、揉み合いでロマゴンと同等の選手も出てくるかもしれない。

その上で、相手陣営が打倒ロマゴンのための策を一癖も二癖もある形で練ってくることも予想される。

そうした時にロマゴンはこの階級の壁を突き抜けることが出来るのか?というのが見所になる。

今回は外野色々とグダグダのたまっていたが、ロマゴンvs井上尚弥戦もバンタム級転向も一ファンとして楽しみなだけである。

最近、並のボクシングの試合では舌が肥えて満足出来なくなった筆者を唸(うな)らせるような試合が見たい!ただそれだけなのだ。

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追伸 (2017年3月19日執筆) そのロマゴンがアメリカでのWBCスーパーフライ級タイトルマッチで、伏兵のシーサケット・ソールンビサイ(タイ)にまさかの判定負け。もちろん初黒星。この試合結果におき、世界の軽量級戦線が一気にカオスと化した。まるで全盛期の白鵬の衰えから三役以上の優勝戦線が混沌とした大相撲の様に…