②ではアイスホッケー・アジアリーグの東京集結戦第1試合のフリーブレイズvsクレインズの第1ピリオドについてレポートしてきた訳であるが、③では第2ピリオド以降を見ていきたい。

第2ピリオドに入って両チームのプレースタイルのようなモノに変化が見えた。

出だしのフェイスオフでは先手を打たれたモノの、徐々に自分たちの持ち味を発揮したクレインズはここからGKからDF・FWにかけて、後方から丁寧にパスを繋ぐ「(サッカーで言う)ビルドアップ」を構築する形に切り替えて追加点を狙ったのに対して、序盤の拙攻からカウンターで2失点を喰らったフリーブレイズの方はDFもFWも攻守にわたり、南米のサッカーではないが「1対1」での個の能力で打開するようなアクションで、挽回を狙いに行った。

こうした膠着(こうちゃく)状態からどちらが先にゴールネットを揺らすか?というがっぷり四つの試合展開になったが、ここで試合が動いたのは、序盤の焦りから落ち着きを取り戻し、本来のプレーに立ち返ったフリーブレイズの方だった。

第2ピリオド5分、フリーブレイズの38番FWの山田淳哉が個人技からゴールを決めて1点差に詰め寄る。

こうして最小得点差で、最終第3ピリオドに突入した両チーム。翌月にあるプレーオフをより有利な条件で行うために、共に得点が欲しいところ。

しかし、ゴールネットを揺らしたいと思えば思うほど両チーム共にパスが繋がらず、逆に選手たちはエキサイトして、選手は入れ替わり審判からペナルティーボックス(反則による一定の時間の退場処分のために選手を閉じ込める部屋)にぶち込まれる始末。

こうして拮抗した中で、残り1分。劣勢のフリーブレイズはGKを引っ込めて、FWを投入。ゴールマウスを空にしたいわゆる「エンプティーゴール」で最後の賭けに出た。

一瞬の隙が命取りになるフリーブレイズは時間のない中でパスを回す。得意の個人技で打開したいモノのクレインズの身体を張った全員守備でゴールをこじ開けることが出来ない。

結局試合終了の合図がなり、タイムアップ。2-1で日本製紙クレインズが東北フリーブレイズを下し、この時点でクレインズが直上のフリーブレイズを追い抜き5位から4位に浮上した。

④では試合などのおさらいと共に、プロスポーツの「興行」としてのアイスホッケーについても振り返っていきたい。

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