今回のテーマは耳触りのいい言葉ではあるが、実際には地味にキツいことも多いテーマである。
今更だが、筆者は曲がりなりにもスポーツのブログを4年近く続けている身である。様々な競技を会場で貴重な金と時間を割いて見に行き、実際に体験した競技なども自身の価値観をブレンドしながらこのブログで発表してきたつもりである。
こうしたブログの中で、集団で行う球技(野球・サッカーやバスケなど)ではプロクラブや社会人チームの試合なども見てきた。
そうした中で、地域におけるスポーツチームにおいて地元住民とチームとの間に一種の「絆」がちゃんと構築されているか?というのが、チームが経営破綻しないための重要なファクターになる。
しかし、スポーツとはどの競技でも勝つために行なわれるモノだ。以前にも書いたことだが、強ければ会場にお客様が入ってくるモノなのか?という話だ。
このブログの読者なら分かると思うが、答えは「否っ!」である。チームが強くても地域に必要とされる組織かどうかというのはまた別の問題である。
よく地方のJ2クラブのサポーターなんかが「うちの地元はもともとお金を払ってプロスポーツを見る文化や習慣がないから集客が厳しい」という人もいるが、そういう人には悪いがそれは言い訳である。
J2クラブでは強豪の水準までチーム力が向上した信州(長野県)の松本山雅FCなども、2002年の日韓W杯でパラグアイ代表のキャンプ地として作ったアルウィンというサッカースタジアムを建築するまでは、単なる山間の地方都市に過ぎず、Jリーグやサッカー観戦文化などはカケラもなかった。
それを松本市内の喫茶店にあった草サッカーチームをプロサッカークラブにしようという動きが出て、それが県内のライバルである長野市(パルセイロ)との対立の構図と相まって、山雅というクラブが松本市内に根付いたプロスポーツチームへと発展してきた。
そのプロセスにおいて、重要な試合での勝った負けたはあったが、県内の対立をうまく利用しながら、ホームタウン内での訪問活動や普及活動で、試合結果に左右されないクラブ作りに成功した側面もある。山雅は単なるサッカースタジアムありきのクラブではなかった。
翻って、他のチームである。どういう競技でも勝利を目指したチーム作りをしているが、それが本当に地域に根付いているのか?だ。
②では他のチーム&競技からこの問題を見ていきたい。