今回のアイスホッケー・クリスマスゲームのバックスvsイーグルス戦を紹介している訳だが、第2ピリオドに試合が動いた。
第2ピリオドの7分にFW30番牛来拓都(ごらい・たくと)からのアシストでFW18番古橋真来(ふるはし・まくる)が待望の先制点を決める。ゴール前の混戦からようやくバックスがチャンスをモノにした。日光から横浜まできたバックス応援団も大盛り上がりだ。
そうした中でもう1つ、第2ピリオドに試合の流れを変える出来事があった。
イーグルスのFWで49番のアメリカ人助っ人であるマット・マーリーが悪質な反則があったらしく、ミスコンダクトペナルティー(10分間の退場)を言い渡された。
ミスコンダクトペナルティーの時は軽度の反則であるマイナーペナルティー(2分間の退場で、この反則だと罰せられた選手はペナルティーボックスに入れられて、キルプレー[数的不利]になる)と違い、反則した側のチームは抜けた選手の補充はできてキルプレーにはならないが、得点源になる外国人FWの10分間の出場停止はイーグルスにとって大きな痛手だった。
どのくらい痛手かと言うと、1つのピリオドで20分(×3)なので、全試合時間の6分の1に出場出来ないのである。
戦力ダウンしたイーグルスに対し、主力が出てくるバックスはかさに掛かって攻め手を増やした。
しかし、第3ピリオドに入ってもバックスは追加点は奪えず、最小得点差のまま試合は終盤に入った。
しかし、第3ピリオド終了間際にドラマがあった。ペナルティーから復帰したイーグルスのマーリーからのパスからDFの5番橋場亮がチームにとって値千金の同点ゴールを決めて、土壇場で試合を振り出しに戻した。
結局、試合は60分間では決着がつかず、3on3のサドンデス方式の延長戦に突入した。
広いスケートリンクに両チーム3人+GKしかいないのだが、その分障害物(DF)がないのでゴールが決めやすい状況であったらしくギリギリの状態でのプレーが演出された。
そうした延長戦の開始直後にいきなりエンディングが待っていた。
10番のマーク・ディレイゴから51番のベテランFWディビッド・ボングへ繋がれたパックを5番の佐藤大翔(さとう・ひろと)のスラップショットがドンピシャでイーグルスのゴールネットを揺らして1489人の熱狂の中、延長戦でバックスが勝利をもぎ取った。
こうしてアジアリーグのバックスvsイーグルスの死闘が終わった訳だが、日光から大挙して駆けつけた応援団も「凄い試合だった」と興奮する激闘だった。
まだまだアイスホッケーの面白さや醍醐味も分からない筆者であるが、また時間を見つけてホッケー観戦をしたいと思った。



