先日、といってもかなり前の話だが、日経新聞で「球団ビジネス2.0」という企画があった(2016年10月4日〜6日掲載)。

これは2004年の近鉄・オリックス合併問題から現在のプロ野球ビジネスが放映権料の低迷や親会社の赤字補填の限界から、各球団がスタジアムに来てくれた野球ファンやライト層のお客様をいかにして、顧客満足度を高めてリピーターにさせるか?という企画であった。

その中でDeNAベイスターズのフロントにあったのが、今回のタイトルにある「負けても楽しい」という発想であった。

プロ野球というコンテンツはシーズン中は基本的に毎日試合をしている。しかし、今の時代結果至上主義が跋扈(ばっこ)している世の中だが、当然のことながらプロ野球というスポーツは優勝チームでさえ60敗はするミスや誤算・失敗を前提としたコンテンツである。

筆者の見ているサッカーでもそうなのだが、贔屓(ひいき)のスポーツチームの応援というのはままならないモノであって、勝った試合の爽快感よりも、負けた試合の貴重な休日を潰し金を払って何やってんだという不完全燃焼感の方が、心にしつこくこびりつくモノである。

何のスポーツでもリピーターになる以上、自分の愛するチームの無様な負けにカリカリイライラすることからは逃れられない。しかし、たくさん見に来てもらわないとスポーツがビジネスとして採算も合わないし、勝利の瞬間にも立ち会えない。


そうした現代の禅問答にあるプロスポーツというビジネスで、無様に負けた試合でもファンの方がどうやって満足して家路につくかを考えるのが重要になってくる。

②でももう少し詳しく述べたい。