一昨日(2016年12月18日)クラブワールドカップ(CWC)の決勝が行われ、周知の通り、欧州代表のレアル・マドリーが開催国枠の鹿島アントラーズに4-2で撃破し、レアルが2年ぶり2度目の世界制覇を成し遂げた。

今回のクラブワールドカップでは鹿島vs南米王者の試合はテレビの調子が悪くて見られませんでした。m(_ _)m

そのためレアルvsクラブ・アメリカ(メキシコ・北中米代表)の準決勝とレアルvs鹿島の決勝について述べるつもりである。

まず準決勝のレアルvsクラブ・アメリカとの試合はクラブ・アメリカは典型的なメキシコの強豪クラブのイメージだった。以前来日した同じメキシコの強豪であるパチューカも似たようなスタイルのチームだった。

メキシコの伝統というのはゆったりとしたパス回しが主体の遅攻のサッカー。一言でクラブ・アメリカのサッカーを表現すれば「はぐらかす」サッカー。

ゆったりまったりと試合のリズムを落ち着かせて自分のパス回しで緩やかなリズムでのらりくらりと試合を作る。

それでいて、攻撃のギアが上がると個人技で相手DFラインを切り裂くサッカーを伝統とする。

準々決勝のアジア代表・全北現代との試合は逆転勝ちだったと言う。

この試合は見ていないのでなんとも言えないが、筆者が好んで見るボクシングで東洋人(韓国人や日本人)ボクサーは、フィジカルとスタミナ・精神力は高いが、ボクサーIQが低いというが、ボクシングが素直すぎる。そのため東洋人選手はメキシカンのはぐらかすファイトに、前に出る推進力を誤魔化されて判定負けが多いが、今回のクラブ・アメリカが全北現代を倒したのも似た感じがする。

そんなメキシカンのサッカーもレアル相手には局地戦では通用していた。

丁寧なパス回しでレアルの選手に無駄走りをさせて消耗させて、体力と集中力を削ろうとしていた。

しかし、レアルというクラブはそうしたアジアの正直過ぎるような若い力任せなサッカーなどせず、経験を積んだ大人のサッカーで迎え撃った。

前半のロスタイムにクラブ・アメリカのパス回しから出た一瞬の隙を逃さずに、レアルのクロースが幅20cmくらいの間を突くパスから最後はベンゼマが決めて、最高のタイミングで先制。

後半もDFを5枚並べて守備的なパス回しから、隙をついてハーフカウンターを狙うクラブ・アメリカに対して、レアルは攻めあぐねる。

そして、クラブ・アメリカの監督であるラ・ボルペが後半のはじめに次々とフレッシュな状態のFWを早目に投入。勝負に出て一進一退の攻防が続く。

しかし、後半のロスタイムに千両役者のクリスティアーノ・ロナウドがゴール前に抜け出して、相手の息の根を止める追加点を果たして2-0でTHE  ENDであった。

終わってみればレアルの快勝だったが、この試合を見て北中米のサッカーの能力も以前に比べて格段に上昇したのも確かだった。また書くことではあるが、今のJに筆者なのはメキシコが持つような寝業師のような老獪(ろうかい)なサッカーである。

②では決勝のレアルvs鹿島について述べたい。