③でようやく試合の本題に入ろう。先手を打ったのはホームのA東京であった。孫子の「先んずれば人を制す」ではないが、豊富な資金力をバックにBリーグ初年度の優勝を狙うべく、積極的に仕掛けていった。

2番の元NBAプレーヤーで注目選手のディアンテナ・ギャレット(PG)やトロイ・ギレンウォーター(PF)と言った外国籍選手は10番のザック・バランスキーの様な国籍はアメリカながらも日本で教育を受けたので、外国籍枠では扱われない(東海大学卒)選手でアドバンテージのあるA東京が前半は有利に試合を進めた。

前回見たサンロッカーズ渋谷のアメリカ出身の黒人選手のアイラ・ブラウン(日本に帰化)やバランスキー同様に日本出身のアキ・チェンバースもそうだが、「外国籍選手と同等」の選手を抱えるチームはやはり有利だ。

そして、A東京には違う意味で「外国人と同等」の選手もいる。それが日本代表のセンター15番の竹内譲次だ。

竹内譲次は生まれも育ちも親も日本人(栃木の竹内公輔は双子)だが、竹内の場合207cmという日本人では希少価値の高いビックマンの上に、日本人のビックマンにありがちなデカいだけの鈍重な動きではなく、シュート技術や俊敏なクイックネスも併せ持ったプレーヤーだ。そうした竹内が前述の9年在籍したサンロッカーズを去り、「宿敵」A東京(アルバルク)に移籍してきたこともあり、日本中のブースターからその移籍が正しかったかどうかの真価が問われている。

試合の前半は前述の通り、A東京ペースであった。ギャレットの身体能力の高い動きで京都ディフェンスからファールを誘い、元NBAは日本のコートでファールゲッターぶりを披露した(しかし、ギャレットはこの日京都の8番村上直の執拗なマークに遭い、流れの中でのシュート成功率は低かった)。

しかし前半終了のハーフタイムを終えて、A東京の一方的な展開であった。しかし、ここから京都の怒涛の猛反撃のスイッチが入る。〈④に続く〉

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