①では筆者が先日観戦した侍ジャパン強化試合についてざっくりと振り返ったが、②では筆者自身がこの独眼鉄スコープで考える勝負のポイントを見ていきたい。
勝負の分かれ目になるという意味では①でも述べたが、やはり投手陣である。そしてその中でも特に勝負の綾を分けるのは、先発ではなくリリーフ陣にあると筆者は見ている。
個人的な考えとして、先発投手が7回まで試合を作るのを良しとする日本のプロ野球と、球数制限の問題で沢山の投手を準備して短いイニングでの継投ありきで戦うWBCとでは、もはや別のルールのスポーツと筆者は捉えている。
継投で思い出すのは昨年(2015年)のプレミア12準決勝の韓国戦で、先発の大谷翔平が7回零封という最高の投球をしながら、リリーフの則本昂大の救援失敗でまさかの敗戦を食らった試合がトラウマである。
小久保監督はこうした国際大会特有のレギュレーションのなかでの特殊な状況で、いわば「攻撃的な継投」ができるのか?という話だ。
こうしたWBCみたいな大会では小刻みな継投を要求される特殊な環境なわけだが、そうした中で一番怖いのは継投のタイミングを間違うこと、いわゆる「継投のタイミングがワンテンポ遅い」状況になってしまうことである。小久保監督に要求されるのは投手の見切るのを絶対に誤ってはならないところにある。(ただそれを現役時代に野手だった小久保監督がどこまで見極められるかは未知数だが)。
もう1つ侍ジャパンの投手陣に要求したいのは「低めへの制球力」である。筆者が見たメキシコとの第2戦では11-4と大勝したが、先発の広島の野村祐輔は(日本シリーズでの投球で疲弊したのもあったのだろうが)、低めに狙った球が甘く入ってメキシコの打者に3発もソロホームランを食らったというところだ。
3発ともソロだったから良かったが、塁上にランナーを貯めていたらこの試合の行方は分からなかった。
WBCの1次ラウンドで戦うのは、北中米で伝統的に強打者を輩出しているキューバや総体的に身体に筋力量が多くてマッチョな選手を揃える豪州である。低めの球が甘く入ったら一発で流れが変わる危険がある。
こうして筆者は今回、素人のヌル野球ファンなりにWBCの分析をやってみたが、もともとポテンシャルの高い日本野球であるから、不安要素もあるがやってくれると期待している。頑張れ!侍ジャパン‼︎
