筆者はこのブログであまり他者や自分の身内以外の組織(J2ジェフ千葉やプロボクシングは身内ということでOK)を否定したくないのだが、今回は少し思うところがあって書いた。
昨年(2016年)のプロ野球のドラフトでDeNAに育成1位で入団会見した選手に笠井崇正(かさい・たかまさ)という投手がいる。この投手の最終学歴は早稲田大学スポーツ科学部である。
早稲田でプロ野球のドラフトに引っかかるというなら、当然名門の早稲田大学硬式野球部出身なのでは?と考えてしまう。しかし、実はそうではなかった。
笠井は北海道の旭川西高校から進学して、硬式野球部の門を叩くも「部の雰囲気に馴染めず4年間やれる気がしない」とわずか2日(!)で退部した。
その後、学内の硬式野球サークルに所属しながらスポーツ科学部で勉学に励み、自分の投球フォームを授業を利用しながらチェックするとMAX146km/hを出すようになり、その後独立リーグの信濃グランセローズでプレーし、元プロ野球選手のコーチの指導のもと最終的に球速は151km/hまで上がり、育成とはいえプロ野球のドラフトに引っかかることができた。
この一連の流れを聞いて思ったのが、日本の若者の中に社会のメインストリームたる教育システムの中で、その枠から漏れてしまっている優秀な若い人材というのがワンサカ埋もれているのではないか?ということ。
よく高校や大学に馴染めず中退した若者の非正規雇用(&少子化)が問題視されているが、(笠井は大卒だが)優秀な若い人材を社会からドロップアウトさせて、ただでさえ少子化で人材が枯渇しているのにその限られた人材を浪費しているのは、政財界のみならず大学の野球部も同じだということだ。
別に自分の母校でもない早稲田大学硬式野球部をdisりたい訳ではないが、この野球部で4年間プロ野球選手になるため頑張った部員が、この日のドラフトに指名された選手の中で2日で辞めた奴がいるという現実にどう折り合いをつけられるのか?という話である。
それと早稲田大学の野球部を退部してプロ野球選手になった選手というのは、実は笠井が初めてではない。そのこと含めて②でもう少し述べていきたい。