①では今の時代、若者たちが漫画を読まなくなっていることを述べたが、②でもそれを続けたい。

最近筆者はフルタイムの仕事をするようになったが、その職場でも漫画文化の没落を感じる。

熱烈な巨人ファンのアラフォーでもグラゼニを知らなかったり、同年代のサッカーファンにGIANT  KILLING の話を振ったら「キャプテン翼よりも面白いの?」と逆質問されたり、想像以上に漫画文化は衰退している。

翻って、スポーツ漫画というのが勝ち組の漫画ですらそうなのだから、売れてない漫画など推して知るべしである。

そもそもスポーツ漫画というのは他の漫画に比べて、取材や研究と言った地味な努力を必要とする要素の強いジャンルである。

いくら、キャラクターやストーリーがよくても、スポーツに対する理解度が高くないと、その競技の関係者によってあっという間に叩かれて打ち切られてしまう世界である。

そして、その競技を理解した作品を描いても、人気投票や単行本の売り上げでこれまたあっという間に打ち切りになってしまうのだ。

その為、最近は面白いスポーツ漫画もあっという間に打ち切りになるし、漫画家の卵たちも地味な取材のような努力に見合わないスポーツ漫画を描くのを避けて、結果スポーツ漫画が貧困になってきている。

以前、野村宗弘の漫画で「秋月あきひろのポジション」というプロ野球の育成選手の漫画があったが、2016年初夏にあっという間に打ち切りされた。

しかし、その漫画の作者は熱烈なカープファンであと3ヶ月我慢すれば、カープの優勝ブームに乗っかって、その漫画と漫画雑誌も売れたのに、編集部のおじさん連中に我慢が足りずに大魚(大きな鯉?)を逃したのである。

この流れを見て「団塊世代のオッサンは我慢が足りない。馬鹿だなぁ」と筆者は感じた。

こうした現場がいい漫画を描いても、編集部のトップの我慢のなさで面白い漫画が育たなくなっている。今の時代、オッサンが若者たちに我慢を説いているが、面白い漫画を構築するのに必要なのはトップにいるオッサン世代の忍耐力である。オッサンたちは勘違いしてはいけない。