今までW杯アジア予選とJリーグについてそれぞれの新興チームの台頭について述べてきた訳であるが、④では最後に今のJの戦力について述べていきたい。
③でも述べたことだが、今のJのチーム戦力というのはフラットな状態で、どこのクラブがJ2優勝するかわからない混沌とした状況である。ジェフもJ1復帰というよりJ3降格という悪夢もあながち間違いもないカオスな環境である。
ここ何年かの3部リーグ王者もV・ファーレン長崎やレノファ山口といったチームを見ていると、現在のJ3王者というのは現存戦力でJ2プレーオフ圏内も射程に入るくらいの実力はある。
一方で、J1下位でJ2に降格したクラブというのは、(ジェフもそうだったが)J1経験者という変なプライドを引きずっているとJ2の中位に甘んじてしまうし、J1下位クラブとJ2の下位の実力差というのも実はほとんどない。
こうして考えてみると、J1の降格圏内を含めた下位4チームとJ2の全22チーム、そしてJ3でJ2昇格を争う上位4チーム。このJリーグ全体の中央に位置する30チームの戦力というのは実はもう実力差がほとんどないのである。
①②でW杯アジア予選で東南アジアなどの下位のチームの戦力が向上し、アジア予選で戦うチームの戦力差が拮抗し、実力がダンゴ状態であることを述べた。そしてJの戦力分布図を見てもJ1のトップレベルの実力は伸びしろが頭打ちになる一方で、J2・J3の戦力が向上し、中位レベルのチームの戦力差が拮抗し、(ジェフを含めた)J2のどこのチームがJ3に降格してもおかしくないくらい実力差に明確な差はなく、まさに群雄割拠なTHE ダンゴ状態の様相を呈している。
今のアジア・サッカー界は代表でもJでも今日の勝者が明日の敗者になる一寸先は闇な状態である。そんな状況でも選手たちは勝ち点3のために練習に励み、自分たちサポーターはそんな選手たちを信じて応援するしかないのだ。