①②ではサッカーのアジアのナショナルチームの台頭について述べてきた訳だが、③以降はJについても考えていきたい。

筆者もジェフ千葉をJ2で見るようになって7シーズン目。相も変わらず先の見えないJ2という泥沼をのたうち回っている。

J2に降格した当初というのは1年でのJ1復帰を考えていたが、J2というのはそんな甘ったれたプライドを引きずったクラブにはとんでもなく厳しかった。

とにかく、J2はどのクラブの監督も策を練ってくる策士揃いのリーグ。J1上位経験のあるクラブにアウエーで勝ち点1(引き分け)なら御の字と、開き直って相手のミスを誘発し、体力とフィジカルの消耗を競い合うような「泥仕合サッカー」で、とにかくスタミナ自慢の選手でも疲弊が激しくなり、ジェフの選手の顔触れも野戦病院と化する。

J2どのチームでも言えることだが、こうした戦力に劣るクラブの監督という策士が作り上げた策のあるサッカーが、J2の戦力をフラットに均衡化させた部分がある。

フットボールで選手均衡化といえば、アメフトのNFLがドラフトのウェーバー制(前年度の順位が下のチームから指名できる制度)で、チーム戦力を均衡にさせる努力をして優勝はできても連覇は出来ないリーグになっている。

一方で、日本のサッカーJ2というのはウェーバー制の代わりに各チームのスカウティング(偵察)部隊の情報収集能力と監督の分析能力が、J1経験のある強豪クラブの戦力を分析力と作戦能力の高さで形骸化させ、結果的にJ2というリーグ全体の戦力を均衡化させることに繋がっている。〈④に続く〉