①ではカバディやボクシングから呼吸を読ませない大切さやリズム感やテンポをよくする重要性を説いてきたが別のスポーツからも見ていきたい。
最近、筆者の中で再注目してきたスポーツに野球というスポーツがある。まさにナショナルパスタイム(国民の娯楽)である。
しかし、一昨年(2015年)日本と台湾で行われたプレミア12やここ何年か見てきたWBCを見ていて気になったことがあった。
なぜ、野球のハイレベルな国際大会ではこうも他の試合にはない独特な緊張感が生まれるのだろうか?ということである。
長い間分からなかったが、その理由が今回のテーマである「呼吸とリズム」である。
国際大会で投げる投手というのは皆リズム感がいい。また制球力にも優れ、四死球をほとんど出さない。その上エラーも少ないので見ている側も(呼吸のテンポがいいというか)リズムよく見られるので、見ていて楽しく集中力も切れない。野球の国際大会での独特の緊張感の源はリズム感の良さが原因だった。
メジャーでも、レッドソックスの上原浩治はテンポがいいので勝っても負けても試合が早く終わると、巨人の阿部慎之助が言っていた。
他にも元巨人の門倉健は韓国プロ野球で「自分(門倉)は出来るだけ、捕手のサインに首を振ることは避けることにしていた。サインに首を振ると捕手にも自分のリードに迷いが出るだけでなく、バックの野手もリズムが取れなくなってエラーをする。けど、サインにうなずきリズムがよくなれば野手も自分たちの攻撃のリズムもよくなるので、サインに首を振らないようにしてきた」とあった。
今回は呼吸とリズムというテーマで書いてみたが、普段何気なくしている呼吸というのも実は奥の深い動作なのである。