このブログがUPされる頃には2017年になっているが(2016年9月21日執筆)、先日部屋を整理していた時に出てきたサッカーダイジェストの2014年5月13日号で、森永卓郎氏がこの言葉を残していた。ただ、そのままでは単なるパクリになってしまうので、参考にするところは参考にしつつ、筆者独自の持論をブレンドして、今日のブログとしたい。
筆者も考えていたことであるが、地域密着というのは、タイトルにあるようにある種の「狭さ」と「濃さ」が鍵になる。
ある意味その狭さと濃さを両立して地域密着に成功したのは信州(長野県)の松本山雅FCとAC長野パルセイロの2チームだろう。
長野県サッカー協会も偉いと思うが、普通地方の自治体がサッカーを使った町おこしを考えるなら、「長野県」という経済規模でJを目指すのが一般的だし、県レベルでJリーグというブランドを利用してサッカークラブを立ち上げてチームを強化していくクラブは日本中にいくらでもある。
…ところが…
前にも述べたが、地方の県はだいたい経済の中心地と政治の中心地が分かれているところが多い。群馬県なら政治(県庁所在地)が前橋市で経済が(新幹線の駅もある)高崎市、岐阜県なら政治が岐阜市で経済が大垣市、鳥取県なら政治が鳥取市で経済が米子市…。そんな県がほとんどだ。
そして、そうした街同士はほぼ100%仲が悪い。国同士でも日韓や英仏・仏独・ブラジル&アルゼンチンと仲が悪い。両国間で戦争したことのない豪州とニュージーランドでもいがみ合いはあるのだから…。
脱線した話を日本のサッカーに戻そう。日本中のサッカークラブがひとまとまりになれない「県」という自治体単位のサッカークラブで失敗する中で、信州のサッカー界は違った。松本市と長野市という、「狭い」そして「濃い」歴史的な対立関係をサッカーに利用し、かの名作映画「クラシコ」のように欧州のダービーのような熱狂を構築することに成功した。
このフットボール未開の地での欧州ダービーの再現というのは、冒頭の狭さと濃さが成功の一因である。〈②に続く〉