①では筆者の新潟での原体験をモトに劣等感が一大スポーツ王国を築いたことを述べたが、それは他にもある。それを②で述べたい。
それは長野県松本市である。ここは言わずと知れたサッカーJ2の松本山雅FCの本拠地があるところである。
ここももともとはサッカーというモノがかけらもないような街であった。
信州(長野県)のサッカーを紹介したドキュメンタリー映画の「クラシコ」でも地域リーグ時代の松本山雅のサポが「松本って誇れるモノがないんですよ。高校野球でもすぐ一回戦で負けてしまうし。そんな中で松本にサッカーチームが出来るって言うんで応援を始めました」とあった。
松本市としては県内の宿敵・長野市との因縁と同時に自身の劣等感の払拭という一粒で二度美味しい思いが松本山雅FCに込められている。「自分の地元に何もない。しかしそんなおらが街にも日本に誇れるスポーツチームができる」というのは田舎に住んでいる人にとって大きな希望だ。
今年(2016年9月18日執筆)から統一プロバスケリーグ・Bリーグがスタートしたが、bjリーグ時代からの強豪チームである秋田ノーザンハピネッツのブースター(サポ)も秋田が全国に誇れるスポーツで強豪のチームができるからと以前山雅と似たことを言っていた。だからbjリーグファイナルの常連になれたのだ(残念ながら今シーズンは2部リーグだが)。
①の新潟県でもそうだが、こうした地域のスポーツに対する劣等感というのは大都市圏で生まれ育った人には理解して貰えない部分もある。しかし、こうした劣等感こそが人間の計り知れないパワーとなる。