①では独立リーグの役割として、リーグ内の選手の育成を楽しむということを述べたが、②ではもう一つの役割について述べたい。

前回、独立リーグがNPB選手の仮住まいの場と述べたが、それはどういうことか?

もともと独立リーグという発想は1990年代のアメリカで生まれた考えであるが、アメリカではメジャーリーガーとして契約されるロースター枠というのがある。これは30球団どこの球団でも移籍可能だ。

しかし、マイナー契約になると球団内のマイナー球団しか移籍が出来ないという制限がある。

それを嫌がるメジャーリーガーがメジャー球団との縛りがない独立リーグに入団する。その為、高い競技レベルを維持する独立リーグのアトランティックリーグなどは平均観客数が4000人を超える。

日本でもメジャーから日本に戻った藤川球児が四国ILの高知ファイティングドッグスに入団したのも、NPBの球団が藤川の怪我の具合を見たかったから、独立リーグを仮住まいにして様子を見た、という経緯がある。

またNPBとの契約が合意しなかったアレックス・ラミレス(現DeNA監督)がルートインBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに入団したことも話題になった。

群馬側はラミレスがNPBの球団と契約が合意した場合、いつでも(シーズンイン直後でも)契約破棄が可能だ、という内容でラミレスと契約したというが、これも日本の独立リーグがNPB選手の仮住まいとして機能していることがわかる。

余談だが、今年(2017年)はメジャーリーガーのマニー・ラミレスも高知ファイティングドッグスに入団をした(2017年3月5日加筆修正なのでUPしている頃の状況はわからないが)。ここ数年の独立リーグはどんどん懐が深まっている。

日本にも独立リーグが出来て10年が経つが、試行錯誤を繰り返しつつ徐々に自分の役割を構築出来てきている。