最後に今回は個人的に考える東京23FCの方向性について見ていきたい。

この日の23FCのサッカーというのは非常に楽しかった。楽しいのは選手だけでなく、クラブの伝統を作ろうとしているサポーターなんて今が楽しくて楽しくて仕方がないといった感じだった。

地域リーグなのに無料開放とはいえ2600人も集めた集客力もさることながら、そんな魅力的なこのクラブに筆者が求めるのはクラブの「カラー」である。

一番止めてもらいたい最悪のシナリオなのは、何の哲学もなく元Jリーガーを補強しまくって最短距離でのJデビューである。

そうした原理主義よりもっと大切なことがある。これから強豪がひしめく上位のリーグで絶対に苦戦をしたり、苦杯を舐めることがある。

そうした苦しい時に遠回りでもいいから「自分達のサッカー(カラー)はこれだっ!」という迷いが生じた時に戻ってこられるチームの哲学を、今地域リーグにいる時に精一杯もがきながら構築してもらいたい。

それは目の前の結果にこだわらないといけないJリーグでは、そんな余裕はないので出来ないのである。

よく「失敗できるのは学生時代だけだから、今のうちに失敗しろ」と社会人に入る前に言われるが、サッカークラブにおける学生時代というのは地域リーグという場なのである。

今回、期せずして地域リーグのサッカーを見る機会に恵まれたが、日本のサッカーの原風景を見たような魅力的な空間に遭遇した。こうした縁に感謝したい。

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