①では日本人のこれまでの婉曲なコミュニケーション手段がグローバル化した世界では通用しなくなったという話をしたが、②ではボーダーレス化しつつある日本のスポーツの世界を通じて、いかにして表現するかというのを述べたい。
いきなり結論から言ってしまえば「単刀直入にモノを言う」。これに限る。
「そんなことして相手が気を悪くしたらどうするの?」と思われそうだがこれが一番いいのだ。
スポーツの話をしてみれば日本のサッカー日本代表監督をみれば分かる。
日韓大会でフランス人のトルシエが監督をしていた時、JFA(日本サッカー協会)は最初はトルシエに気遣って回りくどい言い方に終始した。
しかし、トルシエは歯に衣着せぬ言動でやりたい放題だったし、トルシエ側も本音を言わない日本人とのコミュニケーションにストレスを溜めて常に一触即発の状態だった。
ある日JFA職員が「お前(トルシエ)にははっきり言う!」と宣言したら、トルシエは「やっと本音を言ってくれた。もっと早く言ってくれよ」とそれからはスムーズな意思疎通が図れた。
また旧ユーゴスラビアのオシム監督もジェフ千葉の監督時代に休みのない練習で、選手が「選手に疲労が溜まって怪我をするから休みを下さい」と言ったら、「お前が監督ならそうしろ」と気遣いなど1mmもない言動だった。
後に某サッカーライターが「オシム監督も現日本代表監督(2016年9月10日執筆)のハリルホジッチ監督も旧ユーゴスラビアという地域は戦争に負ければ国が無くなり生活出来なくなるというギリギリの緊張感の上に、日本人のようにオブラートに包んでモノを言うという文化がそもそも存在しない。だから皆旧ユーゴの監督は皆ああやってはっきりモノを言うんだ」と言っていた。フランスもそうだが日本人のコミュニケーションの根底にある相手への気遣いというのが異文化理解には存在しないのであり、むしろ表裏なくはっきり言ってあげた方が喜ばれるのである。
今回は代表監督とのコミュニケーションについて書いた訳だが、よく言われる言葉だが「日本人の常識が外国人にとっては非常識」になるのである。