①では筆者が見てきたボクシングで海外のボクサーが教育を受けなかったが故に引退後に悲惨な末路になったことや、本来教育を受けたはずの日本のボクサーも悲惨なヤツは悲惨である、という話をした。
②で日本では多数派であるアスリートの高校球児に焦点を当てたい。
毎年夏と春に盛り上がる甲子園。そこに集う高校球児の汗と涙には筆者含め共感出来る部分は多々ある。
しかし、実際の高校野球というのは47都道府県の代表というのはタテマエで、実際には地方の県の代表も大抵は関西のボーイズリーグなど中学生の硬式野球での越境入学が大半で、そうしたチームと地方にある私立校理事長とのコネクションで有力選手が進学するかしないかが決まるスポーツビジネスという名の人身売買の世界だ。
名作高校野球漫画の「バトルスタディーズ」でDL学園の選手が授業中は遊ぶか寝るかというシーンがあるが(エースの檜だけは勉強してるが)、ここに限らず高校野球の名門校というのは一部の例外を除いて、大半は部員に勉強なんかより試合での成績で活躍してもらい、甲子園で知名度を上げて入学生を呼び込み、授業料(カネ)を稼ぐことしか頭にないような形骸化した学校(と呼べるのか?)がほとんどだ。
前述のDL学園の野球部コーチは漢字の「自」という字すら書けなかったが、学校なのに文字すら教えない。一般生徒もそうだが、誰もが高校で教わった微分積分も英語も歴史も、程度の差はあれ漢字(国語)同様に何にも理解していない(もちろん筆者含めて)。
また、学校の生物で習ったカエルの解剖も科学のリトマス試験紙の実験でも、高校を卒業して20年以上経つのに実生活で一度も役に立っていない。今の学校の教育が本当に実生活に役に立っているのか?
よく「受験勉強は親や大人を説得できるツールだからやって意味がある」というが、漫画家の日本橋ヨヲコが「知識は人を優しくしてくれる。実生活で役に立たない学問には意味がない」と言った。実際にその通りだ。
話を野球に戻そう。そんな学校を卒業した元野球部員が実質的な無職みたいな売れないお笑い芸人になるという話も山ほどある。
筆者には今の日本の学校教育に2000万円の価値があるとは思えない。ただでさえ30代男性の平均年収が500万円から300万円まで落ちて教育費を払いたくても払えない成人男子は激増なのに。
なのにこうした日本の学校は「子供が可愛いと思わないのか?」と若く育児経験のない親を脅して、少ない金を搾取しているに過ぎない。少なくとも筆者はこんな組織にカネを払いたくはない。
①で日本のボクサーも教育を受けても悲惨なヤツは悲惨だと言う話をしたが、日本に数多くいる名門校の高校球児も学校が勉強を教える気がなく、カネのことしか考えてないのでは、それは教育でなく単なる搾取である。
もちろん現場で努力している教師もいるだろう。それでも今の日本の公教育が重要とは思えない。それに反論したいなら大卒でも大学で第2外国語を勉強したのに、その外国語を喋れない人間が99%という現実を筆者に納得出来る言葉で説明してもらいたい。
そして大金を要求するなら、理由を抽象的な言葉で誤魔化さず、今の教育が何にどう子供に役立つか具体的に説明して貰いたい。2000万円とはそれだけ責任の重い金額だ。
長くなったが、日本のスポーツビジネスを見ていると悲しい話だが教育という根幹がスカスカの形骸化したモノであるということが分かった。世間の言う口当たりの言葉に錯覚してはいけない。