冒頭のタイトル「粋(いき)」であるが、何のこっちゃ?という話と思われるかもしれないが、どうかご静聴ください。
今回、粋さについて考えてみたいが、もともとこの言葉について考えさせられたのはロック総統というサッカーJFL(現4部リーグ)という下からのボトムアップにより、日本サッカーの伝道師になろう!としている人の本やDVDを見て思ったことである。
彼が今のJリーグというのが原理主義(勝利至上主義)になって良くないと常々口酸っぱく言っているが、その中に試合の段幕(横断幕)にウィットな部分が欠如している、と言っていた。
彼のDVDでも言っていたが、J2愛媛FCのサポが、隣のカマタマーレ讃岐とのダービーに対して「Sanuki is odoscrutive(obstruction)…讃岐邪魔者」という段幕を掲げて、クラブから10試合の出禁を食らったという話があった。
そこでロック総統は「ただ隣のチームや弱い下部リーグのチームの悪口を言うのはただのいじめや嫌がらせであって何の面白みもない。粋じゃない」とあった。
そこで彼は「例えば讃岐に対して『コシのねえうどんはソーメン』とか『粘り腰を見せてみろ』と言った言論統制を逆手に取る遊び心が大切で、そこで皆なクスッと笑えるユーモアがあるのが『粋』なんだ」と教えてくれた。
他にも餃子(栃木SC)の立場から焼売(YS横浜や横浜FC)をからかうなど、ただ罵倒するのではなくひとひねりした上での笑いがサッカーの応援には必要、とロック総統は仰った。
ここまでロック総統による「粋」という概念を長々と書いてきた訳だが、これだけではただの丸写しになってしまう。しかし、ロック総統は日本中のサッカー場でそうした粋さをレクチャーしているのだが、そんな粋さを感じた広告というのが意外にも野球の独立リーグにあった。それを次回紹介したい。〈②に続く〉