①ではレスリングの絶対女王だった吉田沙保里の陥落について述べたが、②では先日のサッカー日本代表の対UAE戦について述べたい。

先日の日本代表は先制しながらも、UAEにセットプレーからの失点で逆転され、ハリルJAPANの最終予選は黒星スタートとなった。

後半の日本代表のパワープレーでゴールが入ったシーンもあったという声もあったが、正直筆者から見て実力で負けたとしか思えなかった。

UAEの1点目のFKも2点目のPKも、日本は自陣バイタルエリアでの連携ミスからボールを失いピンチを招き、セットプレーから失点を喫してしまった。

おそらくこの時ボランチの長谷部誠やCBの吉田麻也と森重真人との連携が曖昧になるとUAEのスカウティング(偵察)部隊は分析したのだろう。それがズバリ的中した形になった。この失点は偶然ではなく必然だ。

野球の野村克也監督の言葉に「勝ちに不思議の勝ちあれど、負けに不思議の負けはなし」というモノがあるが、負けという現実には必ず、何かしら自分達の弱点や過失があるのであり、サッカー日本代表の場合だとアジア予選で闘う相手は皆、そうした日本代表のわずかな隙を狙って闘ってくるのである。

①で五輪3連覇した吉田沙保里はそれだけ研究されたという話をしたが、サッカー日本代表もW杯5大会連続出場したアジアの絶対王者であって、アジア2次予選で闘ったシンガポール守備陣の鉄壁の砦を日本代表は崩せなかったように、日本代表の成長度以上にアジア諸国が日本代表を丸裸にしつつ、日本以上に成長しているのである。

これからのサッカー日本代表の行く末は分からない。しかしサッカーの強豪国でヨハン・クライフを生んだ国であるオランダでさえ日韓大会では欧州予選で消えたのである。勝つことに慣れた絶対王者ほど脆い時は脆いのかもしれない。