①では漫画家が自由に裁量を得て漫画を描けるプロセスと一般の若者がプロサッカークラブに就職するプロセスが共通するということを述べたが、実際にはどういったメソッドでそうした手段を手にしているかを述べたい。

漫画家が自分の好きな世界観の漫画を描くには手段はたった1つ。「ヒット作を当てること」である。

ヒット作当てていない漫画家というのはまだ一人前でもなくコモディティ化された取り替え可能な消耗品に過ぎない。

しかし、ヒット作を当てて漫画市場で自分の作品と名前が注目されるようになると、そのヒット作の連載が終了し次回作をスタートする時も「ヒット作○△□の〜」と所属するレーベルにも名前が引っ張り易くなり、作品の自由度も増すのだ。だからワガママ言いたいなら売れろ!という話である。

プロサッカークラブに就職するのも同じである。自分の好きな世界で働きたいなら、まず一般の世界で実績を積んで稼げる人間になれっ!という話だ。

日本の大学など若者を相手にしている商売というのは口当たりの良い言葉で誤魔化したりするが、言葉は悪いが日本の大学のスポーツビジネス学科とかは詐欺みたいなモノである。

そんなところに行って何千万円というカネと若い時間を無駄にするなら、一般企業でバイトでもいいから働いて出世した方が近道である。

自分自身が稼げる人間でもないのに若い世代に厳しいことを言うのも心苦しいがこれが事実だ。結局のところ稼げるようになれば漫画でもスポーツでもワガママを言えるのが現実なのだ。