前回はここ7〜8年のJ2の移り変わりを見てきたが、②ではそこからの本題を考えていきたい。
ここは筆者の持論であるが、1つのサッカークラブが一人前の自立したクラブになるのにおおよそ10年の歳月が必要と考えている。
以前ハマったサッカーノンフィクション書籍で読売クラブ(現・東京ヴェルディ)の元フロントが「ヴェルディの歴史は1970年代の地味な努力をコツコツ続けてきて、80年代の栄光に繋がった。今のフロントはそこを忘れている」とあったが、当時のヴェルディみたいな絶対王朝のようなクラブでも70年代は2部リーグで中位をウロウロしていて、ブラジル人の補強の失敗など10年かけてクラブのフロントとしての経験値を蓄えていった。
ジェフにしたって祖母井秀隆GMがフロントに就いて、最初の5年は失敗続きで「NO ウバ害」と揶揄され、オシム招聘で成功したのが9年目だった。
今の日本全国にあるプロサッカークラブでも地域リーグ時代からフロントとしての修錬を積んだクラブが一人前になるのも10年。①の松本山雅も地元喫茶店の草サッカーチームを本格的なプロクラブとして発足したのが2004年で、初のJ1が2014年だからだいたい10年だ。
今の日本にはそれだけ沢山の自立したプロクラブが林立し、18しかないJ1の椅子を日本中のクラブが熾烈な競争で奪いあっている。
一方でJ2はその枠から漏れたジェフ・横浜FC・京都・ヴェルディ・清水・セレッソ・札幌と随分と脂っこいリーグとなり、ナビスコ杯優勝経験のある大分はJ3まで落ちた。
今までジェフの努力が足りないから勝てないと思っていたがそれは違った。10年という歳月が、全国のサッカークラブのフロントを真のプロとして自立させ、強豪クラブが増えたので相対的にジェフみたいなクラブの力も低くなったのだ。10年ひと昔というが時の流れは残酷だ。