以前書いたアスリートは全力尽くして試合に負けても謝ってはいけないという話をしたが、それに少し似た話でもある。

今回のテーマの元ネタは「地方再生の失敗学(飯田泰之ほか・光文社新書・2016年)」という本である。

この本は地域活性化や地方再生のプロセスについて言及し、日本の地方自治体がどんな失敗を繰り返してきたか?という本であってスポーツ的な要素はかけらもない書籍である。

しかし、そんな本にもスポーツに通じるネタというのはある。

この本の中で地域活性化を研究している学者が「戦争の世界では、米軍では相当下っ端である分隊長レベルでも、戦闘で勝った場合のシュミレーションだけでなく、局地戦での敗北や惨敗の敗北など、失敗のシュミレートを何通りもやっている」

「しかし、日本の軍事的指導者は第二次大戦を見れば分かるように勝った時のシュミレートしかしていない」

「だから負けた時にそうした想定をしていないから、負けた現実を受け入れられずに途方に暮れたり、敗北そのものを隠蔽しようとしてしまう」

戦争の話で恐縮だったが、この話を見て気付いたモノがあった。今の日本のスポーツを取り巻く環境である。〈②に続く〉