今回は夏の京太郎祭@歌舞伎町についてきた訳であったが、最後に試合の運営について書いていきたい。

率直に言って運営に関しては不満もあった一方で、ボクシング興行の可能性も見えたイベントだった。

誤解のない様に言いたいが、不満があったというが主催者の萩森氏は尊敬しているし、試合には満足も納得もしている。なかには塩試合もあったが、ボクシングは真剣勝負ゆえに起こることだからそこに不満はない。

筆者が言いたい不満と言うのは、その運営の稚拙さだ。

筆者はこの日5000円のチケットを買った。高いと思うかもしれないが、この日のチケットで最も安い値段で立ち見(‼︎)だ。

5000円払えば神宮球場のヤクルト戦ではバックネット裏に座れるし、JリーグでもVIP席だ。

前述の通り第三試合が30秒で終わり、「10分程」の時間調整があったが、実際には20分立ちっぱなしでほったらかしだった。関係者はパイプ椅子に座って談笑していたが、5000円払った客である筆者はその間ずっと立たされる仕打ちを受けた。おおよそプロスポーツというアミューズメントとは言い難い。

その後もスパーリングや試合後インタビューでもリングアナのダラダラと冗長としたトークを聞かされていた。

この日試合は主催者のブログでは6時開始で2時間から2時間半というから8時から遅くとも8時半には試合が終わるとあったが、実際に試合が終わったのは9時と大幅に遅れた。

筆者は朝早く仕事があり、この日の試合が8時に終わることを想定して会場に向かった。

しかし、本来の予定よりはるかに遅れた運営は今後、改善の余地がある。

その一方で、こうした興行には未来への可能性も見える。

総ラウンド32Rと冗長な部分をカットすればもっと締まったイベントになると言う萩森氏の方向性は正しいし、新宿FACEという狭い空間でのヘビー級の試合はレベルも迫力も思った以上に高品質だった。

何より良かったのが裏メインのマッチメークである。歴戦の古強者・佐々木基樹VS流浪の拳士こと岡崎祐也という渋い組み合わせ!

しかも、これが8Rという設定も絶妙だった。これが10Rか12Rだったら試合がダレていたかもしれないが、(FACEというエネルギーが濃縮した空間も相まって)8Rだったこそ濃密な打撃戦が繰り広げられ、ダウン無しの判定でもチケット代のモトは取れたと納得できた。

筆者も偉そうに業界の先端を行く萩森氏に色々言った訳だが、もし京太郎の次戦が(翌日休みの)金土だったら仕事の心配がないのでまた行きたいと思った。ボクシング興行には不満もあるが、20年見てもまだ飽きないのは確かだ。