そんな複雑なリーグを取り巻く環境のもとでbjのファイナルズ(土曜日の準決勝)が始まった。筆者が見たのは西地区決勝(実質的なリーグ準決勝)で西地区で最高勝率だった京都ハンナリーズ(どうでもいいけど、Bリーグという名称もそうだがこのチームのネーミングセンスはどうよ?)vsリーグ4度目の優勝を目指す琉球ゴールデンキングスとの対戦だった。

先手を取ったのは琉球だった。31番喜多川修平や14番岸本隆一・13番のルーキー津山尚大の3P(3ポイント)シュートが試合開始早々、ズバズバ決まっていった。まるでSLAM  DUNKで湘北のミッチー(三井寿)が翔陽戦で面白いように3Pシュートを決めて、神奈川4強の一角を崩した試合があったが、この日の琉球の日本人選手のシュートの精度もそんなミッチーをプレーを彷彿するようなくらい、シュート技術が高かった。

一方で、京都の選手のシュート精度は的中率が低く、チャンスメークはできていてもシュートミスが多くなり、最後の部分でのツメが甘く、いきなり得点差は広がっていった。

筆者もサッカーでJ2ジェフ千葉の試合をよく見るが、J2のサッカーがミスを誘発して技術の拙さを身体能力や走力でカバーする(言葉は悪いが)「泥試合」という試合が多いように、日本代表がNBLに流れて、その枠に入れなかった選手が集まるbjも(サッカーで言う)ボールウォッチャーになる選手も多く、相手選手を釣らせる工夫や動きにも乏しい。そんなbjはJ2を彷彿させる泥試合バスケットというイメージの試合内容だった。

そうした中で京都が自滅していくゲームの流れから、琉球はシュート精度が尻上がりによくなり、選りすぐりのチームが集まったbjリーグファイナルズなのに第2クオーターにはダブルスコアにまで点差が開いた。

結局試合は87ー56で琉球が京都を圧倒。琉球というチームのシンボルである黄金王が、京都の抜刀隊を粉砕したような試合内容だった。

試合内容以外で心に残っていたのが、有明コロシアムには会場の席入り口の前にブースがあって、去年見た同じ有明コロシアムのボクシング世界戦よりも物販の活気が最高潮に高かった。

筆者も今回bjリーグファイナルズの記念Tシャツ(3000円)を購入した。以前読んだ地域活性化の漫画で「カネでにぎわいを作るのではなく、にぎわいでカネを作る」という仕組みが重要だ、という話があったが、去年のbjファイナルズもそうだが、ここの物販スペースでのブースターが持つアツい気持ちのこもったにぎわいはかなり強いモノがあり、そのにぎわいに影響された(会場に来た)お客様は皆お金を落としていった(だから筆者もTシャツを買った。しかもLサイズは売り切れ)。

こうして今回bjリーグで最後のファイナルを見たが、今年秋から始まる新リーグも楽しみに感じてきた。リーグの併存状態から統一プロバスケリーグという一歩をバスケット界は踏み出した。

日本のプロスポーツにとってバスケ統一リーグというのは、その他大勢に埋没する小さな一歩に見えるかもしれないが、日本バスケット界にとっては果てしなく大きな一歩になる。

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