①では中国人留学生がアルバイトしないと東京の経済が回らないように、②では韓国人JリーガーがJのピッチでプレーしないと、日本のサッカー界が破綻するという話をしたい。

Jリーグが生まれた1993年に入団した韓国人Jリーガーというのはサンフレッチェ広島の盧廷潤(ノ・ジュンユン)ただ1人だった。

韓国のプロリーグ(今のKリーグ)を経由せずに、大学卒業後いきなり日本でプロになった盧に、韓国のメディアは裏切り者扱いをした。

しかし、日本のサッカー界が急速に力をつけて1990年代の韓国代表選手がJリーグでプレーすることにより、Jリーグの運営が韓国のそれより優れた部分もあると理解し、韓国のサッカー選手も次第にJリーグでプレーするようになった。

それどころかファン・ソッコ(黄錫鎬・現鹿島)のようにその年のKリーグのドラフト会議で最大の目玉だった選手が、指名権を獲得した韓国のクラブより好条件を出した日本のサンフレッチェ広島に大学卒業後に入団を決めて、他の有望な韓国人選手も学校卒業後に直接Jリーグに入団し、日韓のボーダーレス化が加速していくことになった(余談だが、Kリーグではこうしたドラフトが形骸化したことにより、現在ではドラフト制度は撤廃されている)。

そして2013年にはJリーグでプレーする外国人選手の中で、韓国人選手が53人とブラジル人の49人を越えて、2004年の集計以降リーグ最多の人数になった。

もはやいまや日本のJリーグはJ1からJ3まで(もっと下のカテゴリー含めて)、韓国人選手なしではチームマネジメントが不可能なくらい、サッカー界において韓国人の存在が必要不可欠になった。

そうしたグローバルでボーダーレス化した時代に韓国人や中国人に対するヘイトスピーチというのが、いかに日本人が自らの首を絞めることなのか、ということがよく分かる。日本国内において中国人留学生(アルバイト店員)も韓国人Jリーガーも、存在しなくなったら終わりなくらい日本社会に同化した存在になった。

時計の針は逆方向には回らないのと同様に、グローバル化という波ももはや昔のようには戻らずどんどん加速していく。日本人はこれからのボーダーレス化した時代を生きることを覚悟しなければならない。

参考文献 韓国語ジャーナル  2013年春号