基本的にスポーツビジネスというジャンルにおいてクラブ経営というのは、その土地の地方経済と密接にリンクしているものだ。

今の日本経済というのは今更筆者が言うまでもなく、かなり逼迫(ひっぱく)している状況だ。

プロスポーツと関係なく国内の地方経済というモノを考えれば、2006年の北海道夕張市の財政破綻というのは、今まで潰れることはないと言われていた地方自治体も倒産することが現実に起こった。それは国民に「世の中に『絶対潰れない』仕事は存在しない」というのを痛烈に実感させたニュースだった。

脱線した話を元に戻そう。今のスポーツビジネスというのは日本中の地方都市が主役なのだが、前述の夕張市ほどではないがどこもかしこもかなりの疲弊をしている。

その一方でプロチームを1つ地元に作り出すには、1億円単位のお金が快速トップバッターのようにあっと言う間に「お足(お金)」として消える世界なのだ。

そうした中で地方都市にスポーツチームを運営&維持するには並々なら努力や金策を求められて、そうしたクラブ(球団)社長というのは地元議会やテレビ局、商工会議所にも顔が効くような経営者でないと務まらない。少なくともスポーツビジネス学科を卒業しただけの大卒には荷が重過ぎる仕事だ。

そんな地方都市におけるクラブ経営の苦悩を②でもっと深く掘り下げたい。