①では世界の野球強豪国(地域)のプロ野球球団の増加傾向について述べた訳だが、②では翻って日本のプロ野球(NPB)についても考えていきたい。

事の発端は何年か前の国会で安倍首相が、球団数を16球団に増やすことを言い出したのが始まりだった(2016年4月10日執筆)。

首相だけではないが、今の日本の政治にある内ゲバと諸問題に対する行動力の無さに国民はウンザリだったので、この話も賛成より反対の人が多かった。

確かに今の政治はどうしようもない。少子化でも環境でも今の政府の無力さには、筆者自身も閉口している。

しかし、今の安倍内閣は他の全ての政策はバットとボールが50cmくらい離れた空振りだが、プロ野球球団16球団制には、唯一このアイデアにだけはピンポイントで肯定できる。

もともと16球団制というアイデアは二宮清純が思いついたネタで、増やす4球団は北信越・静岡・四国・九州南部が候補というのが具体的な受け入れ先の候補だった。

NPBにおける球団拡張が言われると、元プロ野球選手は「球団が増えるとレベルが維持できない」と言う。

逆に筆者の方からそういう意見を言う人に訊きたいが、そもそも「野球におけるプロというレベルでプレーするに値する基準」を具体的かつ論理的な言葉で、筆者を納得をしてくれた人はいないし、そうした野球本も知らない。

野球というのは数字のスポーツであり確率のスポーツでもある。打率、得点圏打率、出塁率、盗塁成功率、長打率、守備率、防御率、OPS(オプス・出塁率と長打率を足した確率)など多くのプレーに対して確率という要素で分析可能な基準値は山のようにある。

プロ野球の世界で前述における「プロに値するプレー」という基準というのが、それぞれの確率論に当てはめてみてどういう数値(確率)が基準なのか、野球を知らない最近見始めた筆者のような人間にも納得いくように説明してほしい。

もしその基準の数値化が可能ならば、アマチュアの野球選手はその基準に向けて努力するだけである。受験勉強もそうだが、自分の将来像が見えないなかでの、目標のない状態の努力は時に徒労になることもある。

今回のテーマは、ビジョンの見えない首相の肩を持つような記事になって生理的嫌悪感もあったが、野球人は筆者のような門外漢にも上記の基準を教えてもらいたいモノである。