最近はスポーツビジネスと謳っておきながら、ビジネスというより試合観戦記の方が多くなっていたが、今回は正真正銘のスポーツビジネスについて考えていきたい。
今回のタイトルである16球団制というのは、言わずもがなプロ野球の拡張制度についてである。
プロ野球というのはリーグ運営のための上層部が、学歴でトップになった特権的エリートが支配しているからか?運営に対してはかなり保守的だ。
そうしたプロ野球におけるトップの保守的な姿勢の象徴なのが、今(2016年4月10日現在)までのプロ野球12球団制の墨守(頑なに守ること)である。
世界で野球が盛んな国や地域を見てみても、リーグ内の球団数の増加(エクスパンション)というのは時代の主流な動きである。
アメリカのMLB(メジャー)などはその拡張主義の象徴である。最初はアメリカの中でも伝統のある東海岸に球団は偏っていたが、ニューヨークはブルックリンにあったドジャースという球団を西海岸のロサンゼルスに移転させたり(当時のニューヨーク市長のオマリーは相当反感を買ったが)、全米にMLB球団数を増やすことで新たなパイを獲得するのに成功していた。
そもそもアメリカという国は移民を受け入れ、一般のビジネスでもスポーツでも絶えず拡大&拡張することを良しとしてきた歴史がある。
球団のエクスパンションというのは、北米だけではなくアジアでも起こっている。
韓国プロ野球(KBO)では2013年にNCダイノスが、2015年にはKTウィズという新球団が誕生している。
台湾プロ野球(CBL)では1990年代に拡張主義による球団増加で一時的に球団数は増えたが、フロントの人材がいなかったり、人口2300万人でリーグを拡大したツケが出て、一時期は拡大路線に失敗したこともありリーグ縮小の流れになった。
しかし、そうした台湾球界も競技者人口の増加とCBLで起こった八百長問題での処理も済んだことにより、再び球団拡張路線に対してのリーグ内のヒアリングの動きも出だした。
そんな世界の野球強豪国(地域)で起こっているエクスパンション。②では日本のプロ野球(NPB)に対する球団拡張の是非を考えていきたい。